最新記事
BOOKS

本物の警察官もポンコツ!? 職質検挙・交通取り締まりの「リアル過ぎる」実態に納得いかない

2025年4月2日(水)16時15分
印南敦史(作家、書評家)
日本の警察官

写真はイメージです TAKASHI SUZUKI-shutterstock

<ドラマや映画、漫画に登場する刑事や警察官はポンコツだと、約20年のキャリアを持つ元警察官は言う。では、末端の警察官のリアルな姿はどうかと言うと...>

タイトルからもわかるとおり、『警察官のこのこ日記』(安沼保夫・著、三五館シンシャ)の著者は「おまわりさん」。警察学校を卒業してから警察官人生をスタートさせたのち、約20年にわたって機動隊や留置係、組対(組織犯罪対策課)の刑事として勤務してきたという。

実際に現場にいた立場であるので、やはり小説やノンフィクション、コミック、テレビドラマ、映画などで描写される警察官や刑事の姿には抵抗があるようだ。


「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」などの漫画に登場する刑事や警察官は度が外れてポンコツだし、人気を博した「踊る大捜査線」シリーズは設定が現実離れしている。警察志望者向けの解説本に書かれているのは建て前ばかりだし、元警察官の書いたものは捜査一課とか公安警察、白バイ隊員とかの手前味噌な思い出話や自慢話ばかりだ。(「まえがき――警察官は警察小説を読まない」より)

そのため、警察官になりたてのころは「警察モノ」を見たり読んだりしていたものの、いつの間にかそれらからは遠ざかるようになったそうだ。

だが本書で明らかにされている事象を確認する限り、"本当の現場"も充分にポンコツである――などといっては失礼だが、一般人が想像する以上に人間的であり、ツッコミどころが多く、どこか憎めないのである。

著者も気持ちは同じであるようで、だからこそ末端の警察官のリアルな姿を描きたかったのだという。

食と健康
消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾総統、強権的な指導者崇拝を批判 中国軍事パレー

ワールド

セルビアはロシアとの協力関係の改善望む=ブチッチ大

ワールド

EU気候変動目標の交渉、フランスが首脳レベルへの引

ワールド

米高裁も不法移民送還に違法判断、政権の「敵性外国人
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 9
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中