本物の警察官もポンコツ!? 職質検挙・交通取り締まりの「リアル過ぎる」実態に納得いかない
警察官も組織人、いろいろ大変なのである
ただし、警察にも厳然たるヒエラルキーが存在するのは間違いようだ。制服の交番勤務員が"下"で、刑事や生安(生活安全課)が"上"だということである。
そのため自然と序列ができあがり、交番員でも、捜査経験のある巡査部長が逮捕事案において書類作成をテキパキこなし、捜査経験のない警部補よりも頼りにされて一目置かれたりするというのだ。地域一筋でがんばっている人が見下されるというのは、なんとも理不尽な話である。
だから、地域警察官が集まると、たいてい内勤への文句で盛り上がる。
「あいつら態度でかいよな」「楽ばっかりしやがって」......。(88ページより)
一般人にとって、警察官は時として偉そうに見える存在でもあるだろう。けれど当然ながら、サラリーマンなどと同じ組織人。やはり、いろいろ大変なのである。そう考えれば、(ときどき憎たらしくも感じてしまうものの)なんとなく憎めない気もするのだ。
『警察官のこのこ日記』
安沼保夫 著
三五館シンシャ
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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。ベストセラーとなった『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)をはじめ、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。最新刊は『現代人のための 読書入門』(光文社新書)。

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