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本物の警察官もポンコツ!? 職質検挙・交通取り締まりの「リアル過ぎる」実態に納得いかない

2025年4月2日(水)16時15分
印南敦史(作家、書評家)


「みなさんも他人事ではなく、わが事と捉えて、くれぐれも気をつけましょう」とか、「退職金がパーになります」とか、「家族まで路頭に迷わせることになってしまいます」とか、しつこく注意される。署長としては自分の署から不祥事を出すことだけは避けたいのだ。(79〜80ページより)

朝10時には交番に到着し、夜勤明け勤務員との引き継ぎを終えると勤務表の作成などのデスクワーク。午前中は110番がなければ「巡回連絡」(パトロールと兼ねて各家庭を回る)や、交通取り締まりなどが中心。

昼休憩をはさみ、午前で十分な"取れ高"があれば午後は切符などの処理をしながら"まったり過ごし"たり、警ら(パトロール)に出るという。そして午後4時ごろに夜勤者がやってきて交替。特別な事案がなければ、午後5時前には調布署に拳銃を納め、定時で帰宅の途につくのだそうだ。

「違法」ではない、酔っぱらいの自転車窃盗待ち


「さあ、今日は給料日後の花金ですからね。チャンスですよ!」
 調布署地域課の統括係長が、夜勤前の指示でハッパをかける。
 月末の金曜日には、酒を飲んだ帰り、終電を逃すなどして、路上に停めてある自転車を失敬する人が増える。検挙数や交通違反取り締まり件数を増やす"チャンス"なのだ。
 われわれ地域警察官の仕事はどう評価されるのか? 身も蓋もない言い方をすれば、職質検挙と交通取り締まりの件数だ。これが多ければ優秀、少なければ尻を叩かれる。(83ページより)

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