最新記事

米社会

セクシー衣装でデモに繰り出した女性たち...ストリッパー労働組合の結成への歴史的な戦い

2023年5月20日(土)20時09分
モニカ・アガルワル

1年以上前にダンサーたちがこうした苦情を伝えた当時、クラブ側はこれに対抗する姿勢を取った。2022年3月には、管理に不備があったと声をあげたダンサーのうち数人を解雇。多くのダンサーは2022年9月、公共ラジオネットワークNPRの取材に応じ、クラブでは新型コロナウイルスの感染予防策が講じられていないことや、ダンサーの同意を得ずに撮影する客がいること、ステージ環境が安全ではないことなどを口々に訴えていた。

またクラブ側は、ダンサーたちの労働組合結成を拒否していた2022年に、破産を申請した。だが今回、クラブ側はダンサー側との合意取りまとめの過程において、破産申請の撤回に向けて動いていることを明らかにした。

解雇したダンサーたちを復帰させる予定

そしてダンサー側との合意に達したことを受け、クラブ側は労働組合選挙への異議を撤回するという声明を発表した。「スター・ガーデンは、(ダンサー側と)合意することを決定した。スター・ガーデン雇用主は、常に公正で、機会均等に配慮し、従業員の権利を尊重している。また、スター・ガーデンは合意の一環として、労働組合選挙への異議を撤回したため、開票が実施される」

クラブ側弁護士によれば、クラブは破産申請撤回後、30日から60日以内に営業を再開し、昨年解雇したダンサーたちを復帰させる予定だという。

同クラブで働くダンサーのシンダーは、「素晴らしい同僚ダンサーたち全員が、ついに交渉のテーブルにつき、安全対策などの問題について話し合う発言権を得られたことに、とてもワクワクしている」と述べた。「私たちだけでなく、他の全ての場所のダンサーにとって記念すべき日だ」

アメリカでは1997年、サンフランシスコの「ラスティ・レディ」でストリッパーの労働組合が結成された。同店が2013年に閉鎖されたため、スター・ガーデンの労働組合は、それ以来で初となる。
(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ガザ最大の難民キャンプとラファへの攻

ビジネス

中国、超長期特別国債1兆元を発行へ 景気支援へ17

ワールド

ロシア新国防相に起用のベロウソフ氏、兵士のケア改善

ワールド

極右AfDの「潜在的過激派」分類は相当、独高裁が下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子高齢化、死ぬまで働く中国農村の高齢者たち

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 6

    自宅のリフォーム中、床下でショッキングな発見をし…

  • 7

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    あの伝説も、その語源も...事実疑わしき知識を得意げ…

  • 10

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中