最新記事
アフガニスタン

6カ月以内? 欧米施設へのテロ攻撃は忘れた頃にやってくる

2023年3月31日(金)16時12分
マイケル・クーゲルマン(フォーリン・ポリシー誌)
タリバン兵

金曜礼拝中のカブールのモスクを警護するタリバン兵 ALI KHARAーREUTERS

<過激派組織「イスラム国」傘下の「ISホラサン州(IS-K)」の蛮行が横行。バイデン米大統領は21年に米軍の撤退後にIS-Kにほとんど言及していないが、軽視してはならない>

米中央軍のマイケル・クリラ司令官は3月16日、上院軍事委員会の公聴会に出席。過激派組織「イスラム国」(IS)傘下のグループでアフガニスタンに拠点を置く「ISホラサン州(IS-K)」について、6カ月以内に国外の欧米関連施設を狙う可能性があると警告した。

IS-Kは2015年以来、アフガニスタンで多くの攻撃を仕掛けてきたが、国外での活動は比較的少なかった。

パキスタンでは昨年3月にペシャワルのモスクで起きた自爆テロを含め、数十件の犯行声明を出している。昨年4月と5月には、ウズベキスタンとタジキスタンでのロケット弾攻撃を行ったと主張した(両国政府は攻撃の事実を否定)。

IS-Kが登場した8年前、アフガニスタンには複数の武装勢力が存在し、当時の政府の支配地域は首都カブール付近に限定されていた。IS-Kには有利な状況だったが、同時に困難な局面でもあった。

現在アフガニスタンを統治するタリバンを含む大半の武装勢力は、ISと敵対する国際テロ組織アルカイダと連携していた。当時の政府軍もNATO軍もタリバンもIS-Kと戦う態勢ができていた。

それでもIS-Kはアフガン国内で最も凶悪なテロ集団の1つに成長した。このグループの動向に詳しい研究者のアミラ・ジャドゥーンによると、IS-Kは15年8月~18年7月に211件の武力攻撃を行い、クナル州とナンガルハル州に拠点を築いた。

21年のタリバンによる政権奪取後、IS-Kの攻撃は激しさを増し、その後1年間で224件の武力攻撃を仕掛けたとされる。

米軍のアフガン撤退直前、国外脱出を希望する無数の人々が殺到したカブール国際空港周辺で自爆テロを起こし、米兵13人を含む170人を殺害した事件もその1つだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、NATOへの関与に否定的発言 集団防衛

ワールド

北朝鮮が固体燃料エンジンの地上燃焼実験、金総書記が

ワールド

ウクライナ大統領がUAE・カタール訪問、防衛協力で

ワールド

全米で反トランプ集会 移民政策やイラン戦争に抗議 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 9
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 8
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中