最新記事

動物

羊の群れが12日間にわたり円を描いて歩き続ける 内モンゴルの牧場で原因不明の集団奇行

2022年11月25日(金)11時20分
若道いつき
羊の群れ

(写真はイメージです) Laurinson Crusoe-iStock

<囲いの中にいるほとんどの羊が行進に参加。原因はストレスか......>

数十頭の羊が12日もの間、大きな輪を描くように歩き続ける原因不明の現象が中国で確認された。この映像は内モンゴル自治区の農場で記録され、中国共産党の機関紙「人民日報」がツイッターに投稿。たちまち拡散され、世界的に話題となった。

映像からは、囲いの中にいる多くの羊が行進に参加していることが分かる。淡々と歩く羊たちが作る円の形は不気味なほどに整っている。

【動画】一心不乱に大きな輪を作って歩き続ける羊の群れ

他の羊の行動を模倣するという羊の習性はよく知られているが、これだけ長時間にわたって集団で同じ動きを続けるのはさすがに狂気的と言うほかない。

牧場オーナーのミャオ(Miao)氏が地元の報道機関に語ったところによると、「最初は数頭の羊だけだったが、徐々に増え、最終的には群れ全体がこれを追随するようになった」という。

この集団行動は今月4日に始まり、少なくとも12日間は輪が消えることはなかったようだ。

英グロスターにあるハートプリー大学農学部のマット・ベル教授は「不自由さ」が原因ではないかと述べる。

「羊は長い間、この囲いの中にいるように見受けられる。囲いの中にいて、移動できる範囲が制限されていることへの不満が、周回を繰り返すという常同行動につながった可能性がある」

「これは良くないことだ」とベル教授は警鐘を鳴らす。ストレスが引き起こした行動に、他の羊が続々と加わった結果ではないかという。

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエル、ハマスから人質遺体1体の返還受ける ガ

ワールド

米財務長官、AI半導体「ブラックウェル」対中販売に

ビジネス

米ヤム・ブランズ、ピザハットの売却検討 競争激化で

ワールド

EU、中国と希土類供給巡り協議 一般輸出許可の可能
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 10
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中