zzzzz

最新記事

基地問題

「やらざるを得ない理由考えて」 沖縄復帰50年でハンストを行う大学院生の声

2022年5月14日(土)16時58分
大橋 希(本誌記者)
ハンストを行う元山

5月12日、防衛省前でハンストを行う元山 HAJIME KIMURA FOR NEWSWEEK JAPAN

<基地問題がいつまでも解決しないなか、お祝いムードだけでいいのか。元山仁士郎がハンガーストライキで訴えていること>

5月15日、沖縄の施政権がアメリカから日本に返還(本土復帰)されてから50周年を迎える。さまざまな行事やイベントが開催されたり、メディアが特集を組んだりするなか、一橋大学大学院生の元山仁士郎は「復帰50年 辺野古新基地建設の断念を求めるハンガーストライキ」を続けている。

9日に首相官邸前から始め、その後、自民党本部前、公明党本部前、国土交通省前、防衛省前、外務省前と場所を移してハンストを行ってきた。今日14日は国会議事堂正門前だ。

沖縄県出身の元山が日本政府に求めているのは以下の3点だ。①辺野古新基地建設の即時断念②普天間飛行場の数年以内の運用停止③日米地位協定に関わる全ての日米合意を公開し、民主的な議論を経て見直す。

13日には外国特派員協会(FCCJ)で記者会見をし、辺野古への基地移設断念などを日本政府に求める署名が2万4250筆集まったことを報告(署名サイト「Change.org」で実施)。5日間でこれだけの書名が集まったことには「驚いています。......沖縄の基地問題がまったくと言っていいほど解決していない、また台湾有事や偶発的な衝突が想定されている中で復帰50年をお祝いしていいのだろうか、その思いに共感してくれた方たちからこれだけの書名を頂いていると思う」と話した。

やっても「意味がない」ではなく

ツイッターなどSNSでは、元山を揶揄したり批判したりする心ない言葉もみられる。これに対して彼は「私としてはなぜ復帰50年に際して、ハンガーストライキをやらざるを得ないのか、を一番に考えてほしい」と話す。「『(ハンストをやっても)意味がない』と私に向けられる言葉ではなく、それに応えてくれる方がどれくらいいるか、の問題だと思っています」

元山は、19年に辺野古新基地建設の是非を問う県民投票の実施を求めた「『辺野古』県民投票の会」元代表。その際も、投票の全県実施を求めるハンストを行い、これがきっかけとなって県議会が動き全県実施となった(このときのことは、「Yahoo!ニュース|本屋大賞 2021年ノンフィクション本大賞」に選ばれた上間陽子著『海をあげる』にも書かれている)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

OPECプラス、2日会合はリヤドで一部対面開催か=

ワールド

アングル:デモやめ政界へ、欧州議会目指すグレタ世代

ワールド

アングル:アルゼンチン止まらぬ物価高、隣国の町もゴ

ビジネス

アングル:肥満症薬に熱視線、30年代初頭までに世界
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 2

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...すごすぎる日焼けあとが「痛そう」「ひどい」と話題に

  • 3

    ヘンリー王子とメーガン妃の「ナイジェリア旅行」...痛すぎる教訓とは?

  • 4

    ウクライナ「水上ドローン」が、ロシア黒海艦隊の「…

  • 5

    ロシアT-90戦車を大破させたウクライナ軍ドローン「…

  • 6

    「自閉症をポジティブに語ろう」の風潮はつらい...母…

  • 7

    1日のうち「立つ」と「座る」どっちが多いと健康的?…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    「同性婚を認めると結婚制度が壊れる」は嘘、なんと…

  • 1

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 4

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 5

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 6

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 7

    仕事量も給料も減らさない「週4勤務」移行、アメリカ…

  • 8

    都知事選の候補者は東京の2つの課題から逃げるな

  • 9

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 8

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中