最新記事

新型肺炎

中国、新型肺炎の死者25人・発症者830人 武漢など湖北省10都市が交通機関停止

2020年1月24日(金)19時00分

中国当局は、23日時点で新型コロナウイルスによる肺炎の発症者が830人に達し、死者は25人になったと確認した。国家衛生健康委員会が24日に発表した。写真は上海の地下鉄駅で23日に撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルスによる肺炎で、中国当局は24日、国内での死者が25人となり、発症者は800人を超えたことを明らかにした。世界保健機関(WHO)は23日、国際的な緊急事態宣言を見送ったが、海外でも新たな感染が報告されている。

中国の国家衛生健康委員会は、23日時点で新型肺炎の発症者が830人に達し、死者は25人になったことを確認した。

春節に伴う連休で多数の中国人が移動すると見込まれることから、衛生当局者は感染拡大がさらに加速する可能性を指摘している。

すでに中国以外では、米国、タイ、韓国、日本で感染が確認されている。24日は、韓国と日本で2例目の感染が確認されたほか、シンガポールでも新たに2人の感染例が報告された。

WHO、国際的な緊急事態判断を見送り

22日から緊急委員会会合を開催していたWHOは23日、「国際的な公衆衛生上の緊急事態と判断するには時期尚早」との判断を下し、緊急事態の宣言を見送った。ただ、情勢を緊密に注視しているとし、事態を見守る姿勢を強調した。

テドロス・アダノム事務局長はジュネーブのWHO本部で行った記者会見で「中国では緊急事態になっているが、まだ世界的な緊急事態には至っていない」と説明。その上で「WHOは現時点では人の移動や貿易に広範な制限を設けることは推奨しない」と表明した。

16人の独立専門家からなる緊急委の会合では意見が分かれたと明らかにした。中国の対応については適切と判断されるとし、「対策が有効かつ短期間で済むよう期待している」と語った。

今回の新型ウイルスに対するワクチンや特効薬は、まだない。症状としては発熱やせき、呼吸困難などが挙げられる。感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)は23日、3つの異なる研究チームが新型コロナウイルスのワクチン開発に向けた作業を開始したことを明らかにした。

WHO健康危機対応プログラムを統括するマイケル・ライアン氏は、発症者の4人に3人は40歳以上で、約4割が基礎疾患を有していると指摘した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペイン首相が続投表明、妻の汚職調査「根拠ない」

ビジネス

神田財務官、介入有無コメントせず 過度な変動「看過

ワールド

タイ内閣改造、財務相に前証取会長 外相は辞任

ワールド

中国主席、仏・セルビア・ハンガリー訪問へ 5年ぶり
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 10

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中