最新記事

朝鮮半島

北朝鮮、平昌五輪へ代表団・応援団の派遣を南北会談で提案

2018年1月9日(火)20時24分

1月9日、韓国統一省高官によると、北朝鮮は、この日行われた南北高官級会談で、来月の平昌冬季五輪に政府高官・選手団・応援団を派遣すると表明した。板門店の韓国側施設で開催された会合中握手する、北朝鮮の李祖国平和統一委員長(左)と韓国の趙統一相(右)(2018年 ロイター)

韓国統一省高官によると、北朝鮮は9日、この日南北軍事境界線がある板門店で行われた南北高官級会談で、来月の平昌冬季五輪に政府高官・選手団・応援団を派遣すると表明した。

韓国は、北朝鮮の参加を円滑にするために、必要なら同国に対する制裁措置の一時解除を検討する方針だ。

北朝鮮の政府高官が韓国側と正式な協議を行ったのは、2015年12月以来2年以上ぶり。北朝鮮がミサイルや核実験を拡大したことを受け、韓国は北朝鮮政府高官の入国を一方的に禁じていた。だが、韓国の一部高官は、冬季五輪が両国関係の雪解けにつながる可能性があるとみている。

韓国外務省の魯圭悳広報官は、北朝鮮の参加を支援するために国連安全保障理事会や関係各国と協力して「事前措置」を講じる必要があるかどうか検討すると述べた。

9日の協議で韓国側は、朝鮮半島の緊張緩和に向けた南北軍事協議の開催と、来月の旧正月までの南北離散家族の再会を提案。冬季五輪の開会式で南北の選手団が一緒に行進することや、開催期間中に他の共同活動を行うことも提案したという。

協議は午前10時、板門店の韓国側施設「平和の家」で開始。韓国代表団の千海成・統一省次官によると、同国は核開発プログラムを巡る交渉再開を提案したが、北朝鮮から具体的な反応はなかった。ただ、北朝鮮は対話や交渉を通じた両国の和解促進を受け入れる姿勢を示したという。

北朝鮮代表団を率いる祖国平和統一委員会の李善権委員長は「われわれはきょう、対話がかけがえのない結果をもたらすことを強く希望している同胞に新年最初の贈り物をするため、ここへ来た」と述べた。

[ソウル 9日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ住民のリビア移住計画、米大使館が報道内容を否定

ワールド

メキシコ海軍の訓練船、ブルックリン橋に衝突 2人死

ワールド

米最高裁、敵性外国人法での不法移民送還差し止め継続

ワールド

イスラエルとハマスが停戦交渉再開、ガザでは72時間
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我との違い、危険なケースの見分け方とは?
  • 4
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 5
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 6
    刺さった「トゲ」は放置しないで...2年後、女性の足…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 9
    飛行機内の客に「マナーを守れ!」と動画まで撮影し…
  • 10
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 9
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 10
    宇宙の「禁断領域」で奇跡的に生き残った「極寒惑星…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中