最新記事

ナイジェリア

「米国を再び強く安全に」ボコ・ハラム拉致少女、トランプに訴え

2017年7月11日(火)15時20分
コナー・ギャフィー

「アメリカはこれからも安全で強い国であってください。あなたをつぶそうとしている人がいることは知っていますが、アメリカを安全で強い国に保とうとしているあなたは正しい。アメリカのためだけでなく、世界のために。もしアメリカが安全で強くい国でなくなってしまったら、危険な目に遭ったとき、私たちはどこに希望を見出したらいいのでしょうか? どうか、アメリカを繁栄させ続けてください」

2人が学んだキャニオンビル・クリスチャン・アカデミーのダグ・ウィード校長は、アメリカの公共ラジオ放送「NPR」(ナショナル・パブリック・ラジオ)に対し、最初はイバンカ・トランプから、ビシャーラとポグのホワイトハウス訪問の機会を設けたいという連絡を受けたと述べた。ウィードは著名な保守派コメンテーターで、『イバラのゲーム──ヒラリー・クリントンの失敗した選挙戦とドナルド・トランプの勝利戦略(Game Of Thorns: The Inside Story of Hillary Clinton's Failed Campaign and Donald Trump's Winning Strategy)』などの著書がある。

爆撃機を売ろうとしたトランプ

チボックの女子生徒拉致事件は、「#BringBackOurGirls(私たちの少女を取り戻せ)」を使った、解放要求キャンペーンで世界中の注目を集め、当時ファーストレディーだったミシェル・オバマも共に呼びかけを行った。ニューヨークを拠点にチボック・ガールズの解放を呼びかけるグループ「Bring Back Our Girls」のまとめ役R.イボン・イダホサ(R. Evon Idahosa)はNPRに対し、トランプと2人の少女の「面会の意図ははっきりとはわからない」と述べた。イダホサもトランプ政権に対して、いまだ監禁されているチボック・ガールズの窮状を周知するよう努めてほしいと働きかけている。

トランプは2017年2月、ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領と電話会談を行い、同国への爆撃機の輸出を認める意向を示した。オバマ政権は、ナイジェリア軍の人権問題ならびに規律欠如を理由に、輸出を凍結していた。ナイジェリア軍は2017年1月、ボコ・ハラムの掃討作戦中に、同国北東部の都市ランにある避難民キャンプを誤爆し、100名以上を死亡させるなどしている。

ボコ・ハラムは2009年以降、ナイジェリアで反政府武装活動を行っており、数万人が死亡、数百万人が避難する事態となっている。ブハリはこれまでに幾度も、ボコ・ハラムは武装勢力としての機能をもはや失っていると主張してきたが、テロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)とつながりを持つ同組織は、2017年だけで少なくとも50件の襲撃を実行している。

【参考記事】イスラム過激派ボコ・ハラムから76人が飢えで投降


(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、8月下旬から少なくとも8200万ドルの

ビジネス

クーグラー元FRB理事、辞任前に倫理規定に抵触する

ビジネス

米ヘッジファンド、7─9月期にマグニフィセント7へ

ワールド

アングル:気候変動で加速する浸食被害、バングラ住民
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中