最新記事

メディア

フランス大統領選でもはびこる偽ニュース 次はドイツ標的か

2017年4月23日(日)11時44分

4月20日、昨年の米大統領選ほどではないものの、23日に最初の投票が行われるフランス大統領選においても、ソーシャルメディアに出回る大量の「偽ニュース」に有権者がさらされていることが明らかになった。写真は仏大統領候補のポスターを眺める男性。パリ近郊で19日撮影(2017年 ロイター/Christian Hartmann)

昨年の米大統領選ほどではないものの、23日に最初の投票が行われるフランス大統領選においても、ソーシャルメディアに出回る大量の「偽ニュース」に有権者がさらされていることが明らかになった。

ロイターが入手した英オックスフォード大学の調査によると、ツイッター上でシェアされた政治関連リンクの4分の1は偽情報で占められていることがあったという。同調査は21日に発表される予定。

こうした調査は、ロシアが米大統領選に対して仕掛けたサイバー攻撃を、欧州でも再現しようとしているとの米独仏当局者の主張に対する新たな論拠となっている。

「米国で多くの有権者がシェアしていたよりも質の良い情報を、フランスの有権者はシェアしている。それはドイツの有権者が共有しているニュースや情報の質とほぼ変わらない」と、オックスフォード大学インターネット研究所の調査は指摘している。

今回の調査ではツイッター上の過去1週間分のデータを使用しているが、偽情報の拡散についてはフェイスブックの方が大きな役割を担っていると、仏大統領選でのソーシャルメディア上の不正行為を研究しているパリ第8大学のケバン・リモニエ氏は指摘する。

フェイスブックは最近、フランス国内で自動投稿されているとみられるアカウント3万件を停止した。同社はスパム対策としているが、それら多くのプロフィールは政治的動機に基づいた偽情報やプロパガンダを流布していた。

自動投稿が可能なツイッター上では、昨年の米大統領選でドナルド・トランプ候補を応援していたのと同じアカウントの多くが、陰謀説や極右政党の見方を推進する方へとその重心を移している。リモニエ氏と、米連邦捜査局(FBI)の元捜査官で現在はジョージ・ワシントン大学のシニアフェローを務めるクリントン・ワッツ氏はそう指摘する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中