最新記事

アメリカ政治

フリン米大統領補佐官、政権発足前のロシアとの協議めぐり苦境に

2017年2月13日(月)14時59分

2月12日、マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)(写真左から2番目)が、1月20日にトランプ大統領が就任する前のロシア当局者との接触をめぐり、苦しい立場に追い込まれている。写真は日米両首脳の合同記者会見で、安倍・トランプ氏の到着を待つトランプ政権のメンバーの様子(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が、1月20日にトランプ大統領が就任する前のロシア当局者との接触をめぐり、苦しい立場に追い込まれている。

ホワイトハウスの高官は週末にかけ、大統領就任後に米国の対ロシア制裁が解除される可能性について、フリン氏がロシア側と協議していたかどうかを調査。協議されていた場合、民間人の外交政策関与を禁止する法律に違反する可能性がある。

フリン氏は陸軍出身で過去に国防情報局長を務めた。トランプ氏を早くから支持し、米ロ関係の改善を呼び掛けてきた。

フリン氏は当初、大統領就任前にロシアと制裁に関して協議しなかったとしていた。ペンス副大統領もフリン氏を擁護し、協議の事実を否定していた。

しかしある当局者によると、ワシントン・ポスト紙が先週、複数の当局者の話として、制裁に関する協議が行われていたと報じると、フリン氏は制裁が議題に上がったとの可能性は除外せず、ただ100%の確信を持って思い出すことはできないと述べた。

フリン氏はペンス副大統領などに謝罪したという。

ホワイトハウスからのコメントは得られていない。

当局者の1人は、やり取りの記録からは、フリン氏が制裁解除を約束したことを示す内容はなく、トランプ政権下での米ロ関係改善に関するより一般的な発言がみられたと明らかにした。

一部当局者の間では、フリン氏は危機に直面しているものの、直ちに大統領補佐官のポストを失うことはないとみられているという。

[ワシントン 12日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日本との関税協議「率直かつ建設的」、米財務省が声明

ワールド

アングル:留学生に広がる不安、ビザ取り消しに直面す

ワールド

トランプ政権、予算教書を公表 国防以外で1630億

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単に作れる...カギを握る「2時間」の使い方
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 7
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    なぜ運動で寿命が延びるのか?...ホルミシスと「タン…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 10
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中