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インタビュー

「打倒トヨタ」を掲げ、地域が共に闘う空気を意図的につくる

2016年10月21日(金)15時48分
WORKSIGHT

日本一のプロバスケットクラブとして業界をリードしていく存在に

 Bリーグのスタートを控えた今は、本格的にバスケットが日本に根付くかどうかの過渡期です。日本のスポーツで競技人口が多いのはサッカーに次いでバスケットです**。今はボールに触れていないけれども、かつてプレーしていた人も含めればバスケットに関わったことのある人たちはものすごく多い。しかも、プレー経験がなくても試合を観れば引き込まれてしまう魅力のあるスポーツです。

 今後もチームを強くする、観客動員を増やす、地域にいっそう根差した活動をしていく、行政との関係をより深めていくといった、今の活動を量・質ともにより充実させていきたいと思っています。

 そのうえで、プロバスケットボールチームとしてより骨太な成長をしていきたい。打倒トヨタを掲げていますが、実際の対戦成績はどうかといえば、2014年度は3勝2敗と勝ち越せたものの、2015年度は1勝もできませんでした。強豪チームを叩き潰す強さをチームとして身につけていきたいし、そういうチームを作るためにさらに経営力を高めていく努力をしていきたい。

 社長就任以降、前例のないリーグ移籍や仮想敵国作りでスポンサーを獲得したりと、いくぶんトリッキーな手法で事業と組織を拡大させてきました。本業であるバスケットの実力も高めて、日本一のプロバスケットボールクラブとして業界をリードしていく存在になれたらと思っています。

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(2016.3.29 千葉県船橋市の千葉ジェッツ本社にて取材)

text: Yoshie Kaneko
photo: Tomoyo Yamazaki

wsShimada_site.jpg千葉ジェッツ
2010年11月発足。加盟リーグは2012年度までbjリーグ、2015年度までNBL、2016年9月からBリーグ(B1カテゴリ)。日本代表メンバーも務める小野龍猛選手や富樫勇樹選手らを抱え、2015年度は8位の成績でプレーオフ進出を果たす。観客動員数はリーグ随一で、2015年12月にはNBLリーグ史上最多の6,236人を記録した。ホームタウンは船橋市、フレンドリータウンは千葉市。メインアリーナは船橋市総合体育館(船橋アリーナ)。
http://www.chibajets.jp/

株式会社ASPE(エーエスピーイー)
千葉ジェッツの運営会社として2010年9月に設立。社名はArena Sports Promotion & Educationの略。本社は千葉県船橋市。社員数13名(2016年6月現在)。

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ASPEのオフィス。デスクの間にパーテーションを置かず、フラットで風通しの良い雰囲気が保たれている。

* サラリーキャップ
球団経営の健全化や戦力の均衡を目的として、所属選手に支払う年俸の総額の上限を規定する制度。国内外のスポーツ界で適用されている。

** 日本のスポーツの競技人口ではバスケットが63万人で、サッカーの96万人に次いで多い。世界ではバスケットが4.5億人、サッカーが2.6億人で、バスケットが最多。(JBA、JFA、FIBA、FIFAの調査より)

wsShimada_portrait.jpg島田慎二(しまだ・しんじ)
株式会社ASPE 代表取締役。1970年新潟県生まれ。日本大学卒業。1992年株式会社マップインターナショナル(現・株式会社エイチアイエス)入社。95年に退職後、法人向け海外旅行を扱う株式会社ウエストシップを設立。2001年同社取締役を退任。同年、海外出張専門の旅行を扱う株式会社ハルインターナショナルを設立。10年に同社売却、同年にコンサルティング事業を展開する株式会社リカオンを設立。12年より現職。株式会社ジェッツインターナショナル 代表取締役、特定非営利活動法人ドリームヴィレッジ 理事長、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 理事。

※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
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