最新記事

南シナ海

海上自衛隊、潜水艦をフィリピン、護衛艦をベトナムに寄港させ、南シナ海への関与を強める

中国が南シナ海への進出を強める中、関係国と連携し「日本なりのメッセージ」を示す

2016年3月7日(月)19時34分

3月7日、海上自衛隊が今年4月、フィリピンのスービック湾に潜水艦と護衛艦の寄港を計画していることが分かった。防衛省関係者が明らかにした。写真は、海上自衛隊の潜水艦、2014年9月撮影(2016年 ロイター/Japan Maritime Self-Defense Force)

 海上自衛隊が今年4月、フィリピンのスービック湾に潜水艦と護衛艦の寄港を計画していることが分かった。防衛省関係者が明らかにした。護衛艦はベトナムのカムラン湾にも立ち寄る。米国が「航行の自由作戦」で中国けん制に動く中、日本は周辺諸国への寄港などを通じて南シナ海への関与を強める。

 関係者によると、3月中旬以降に日本を出港し、4月にスービック湾に入港する方向で調整している。練習用の潜水艦を使用し、訓練航海という位置づけだが、中国が南シナ海への進出を一段と強める中、「日本なりのメッセージになる」と同関係者は話す。海自の潜水艦がフィリピンの港に立ち寄るのは15年ぶり。

 潜水艦に同行する護衛艦2隻はその後、ベトナムのカムラン港にも寄港する。同湾は中国がベトナムなどと領有権を争う海域に近く、ベトナムは抑止力として外国艦艇を受け入れる新たな港湾を建設中。日本とベトナムは昨年11月、海自艦が新港湾に立ち寄ることで合意していた。

 中国が南シナ海で造成した人工島に対し、米国は12カイリの内側に艦艇を派遣する「航行の自由作戦」をこれまでに2度実施した。自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長は今月1日に都内で行った講演で、自衛隊が同作戦に参加する計画はないとあらためて説明。一方で、「日本も南シナ海でプレゼンス(存在)を示す必要がある」と強調した。

 フィリピンやベトナムなど南シナ海周辺国への寄港や、共同訓練を通じて「われわれなりの関与のやり方をしている」と述べた。

 日本は今春に中谷元防衛相がフィリピンを訪問し、海自の航空機「TC-90」の供与でフィリピンと合意することも検討している。海自は同機を訓練用に使用しているが、フィリピンは海上監視に使う。

 (久保信博 編集:田巻一彦)

  

[東京 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニュース速報

ワールド

世界の原子力発電能力が急拡大、設備老朽化など課題も

ワールド

原油先物が上昇、ノルウェーのスト懸念 英EU離脱の

ワールド

訂正:米、人身売買問題でミャンマーを「最悪」国に格

ビジネス

出光興産、第三者割当増資「検討している事実ない」 

MAGAZINE

特集:BREXITの衝撃

2016-7・ 4号(6/28発売)

世界を揺るがせたイギリス国民投票のEU離脱派勝利。リーマン危機級のパニックが再びグローバル経済を襲うのか

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム
  • ニュース速報
  1. 1

    もし第3次世界大戦が起こったら

  2. 2

    英キャメロン首相「EU離脱派6つのウソ」

  3. 3

    ハーバードが絶賛する「日本」を私たちはまだ知らない

  4. 4

    ISISが3500人のNY「市民殺害リスト」をアプリで公開

    無差別の市民を選び出し、身近な標的を殺せと支持…

  5. 5

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  6. 6

    財政赤字を本気で削減するとこうなる、弱者切り捨ての凄まじさ

  7. 7

    「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗

  8. 8

    Windows10の自動更新プログラム、アフリカのNGOを危険にさらす

  9. 9

    搾取されるK‐POPのアイドルたち

  10. 10

    コンビニATM14億円不正引き出し、管理甘い日本が狙われる

    アフリカ諸国、東欧、中東などでは不正分析ソフト…

  1. 1

    レイプ写真を綿々とシェアするデジタル・ネイティブ世代の闇

    ここ最近、読んでいるだけで、腹の底から怒りと…

  2. 2

    英国のEU離脱問題、ハッピーエンドは幻か

    欧州連合(EU)にさらに権限を委譲すべきだと答え…

  3. 3

    伊勢志摩サミットの「配偶者プログラム」はとにかく最悪

    <日本でサミットなどの国際会議が開催されるたび…

  4. 4

    嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月…

  5. 5

    日本で盛り上がる「反知性主義」論争への違和感

    日本で「反知性主義」という言葉が流行している…

  6. 6

    間違い電話でわかった借金大国の悲しい現実

    ニューヨークに住み始めた僕は、まず携帯電話を手…

  7. 7

    移民問題が「タブー」でなくなったわけ

    ここ数年、僕たちイギリスの国民は、一部の政治…

  8. 8

    【市場】いよいよ終わりの始まりが始まった

    いよいよ終わりの始まりが始まった。それは日銀のマ…

  9. 9

    中古ショップで見える「貧困」の真実

    時々僕は、自分が周りの人々とは違った経済的「…

  10. 10

    パックンが斬る、トランプ現象の行方【後編、パックン亡命のシナリオ】

    <【前編】はこちら> トランプ人気は否めない。…

  1. 1

    メルセデス・ベンツの長距離EV、10月に発表=ダイムラー

    ドイツの自動車大手ダイムラーは、メルセデス・…

  2. 2

    米フロリダ州の乱射で50人死亡、容疑者は警備最大手に勤務

    米フロリダ州オーランドの、同性愛者が集まるナ…

  3. 3

    英国のEU離脱派と残留派、なお拮抗=最新の世論調査

    11日に公表された世論調査によると、英国の欧…

  4. 4

    英EU離脱は連合王国のリスク、元首相2人が警告

    英元首相のトニー・ブレア氏とジョン・メージャ…

  5. 5

    ECBのマイナス金利、銀行に恩恵=コンスタンシオ副総裁

    欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁…

  6. 6

    米国株式市場は続落、原油安と世界経済懸念が重し

    米国株式市場は2日続落で取引を終えた。原油が…

  7. 7

    NY市場サマリー(10日)

    <為替> 原油安や銀行株主導で世界的に株安が…

  8. 8

    焦点:タカタ再建、「ラザード」効果で進展か 車各社との調整に期待

    欠陥エアバッグ部品の大量リコール(回収・無償…

  9. 9

    インタビュー:世界的な低金利、エンダウメント型投資に勝機=UBSウェルス

    UBSウェルス・マネジメントのグローバルCI…

  10. 10

    英国民投票、「EU離脱」選択で何が起こるか

    欧州連合(EU)は6月23日の英国民投票を控…

定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
リクルート
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

0歳からの教育 育児編

絶賛発売中!

コラム

パックン(パトリック・ハーラン)

モハメド・アリ、その「第三の顔」を語ろう

STORIES ARCHIVE

  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月
  • 2016年2月
  • 2016年1月