最新記事

移民

外国人に優しくない国ワースト5

出稼ぎ労働者を追い返す日本から難民を虐待するオーストラリアまで「外国人いじめ」の実態が浮き彫りに

2012年6月26日(火)17時24分
タリア・ラルフ

差別反対 連邦最高裁前でアリゾナ州の移民規制法に反対する人々(4月25日) Gary Cameron-Reuters

 不法滞在の疑いがありそうな人物を見かけた警察官に、相手の身分確認を義務付けるべきだ──移民取締りの強化を進める米アリゾナ州が打ち出したこの条項について、連邦最高裁は6月25日、違憲とはいえないとして容認する判決を下した(移民法の大部分については違憲と認定)。

 とはいえ世界を見渡せば、移民に優しくないのはアリゾナだけではない。外国人が暮らすのに最悪な環境の国ワースト5を挙げてみた。

■1位 ラトビア

 欧州で開発された移民統合政策指標(MIP)によれば、東欧の小国ラトビアの移民政策は調査を行った世界31カ国で最悪。移民の受け入れ判断には差別もあるし、移住後すぐに就労の権利を与えられない点も問題だ。当局の場当たり的な受け入れ手続きのせいで、多くの移民が不安定な立場を強いられている。


■2位 日本
 
 日本は外国人に金を払って国外に追い払っている。09年春、南米から出稼ぎに来た日系人労働者が母国に帰る場合には30万円を支給し、一緒に帰国する扶養家族にも20万円を支給する制度が導入された。ただし、条件が一つある。少なくとも3年は出稼ぎで戻って来ないと約束すること(実際には、3年経過後も再入国は認められていない)。こんな馬鹿げた話は聞いたことがない。

■3位 タイ

 タイとアリゾナ州には意外と共通点が多い。タイ当局は10年3月、国内に暮らす150万人の外国人に身分登録を義務づけた。自分の国籍を提示し、母国の承認を得なければ国外追放される。

■4位 アラブ首長国連邦

 東南アジアやインドから大挙して押し寄せる不法労働者のおかげで中東随一の経済成長を遂げたが、
移民関連の法整備は進んでいない。

 特に論争の的になっているのは、外国人の労働組合への加入を禁じる法律だ。そのせいで週80時間労働や過酷な肉体労働、最低賃金水準を下回る低賃金といった劣悪な待遇がまかり通っている。小さなプレハブ小屋の1室に12人が押し込められ、茶色く濁った不衛生な水で体を洗い、あふれたトイレの隣で料理するのが、UAEの不法労働者の日常だ。

■5位 オーストラリア

 移民に厳しい国というイメージはないかもしれないが、ビザをもたない非オーストラリア市民の拘留を義務付ける1958年の法律が今も生きている。さらに「オーストラリアに留まる許可を与えられないかぎり、実現可能な範囲で早急に国外追放する」とも定められている。子供の難民が拘留中に虐待を受けたとの報告もある。


From GlobalPost.com

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国の生産・消費指標、1─2月は伸び加速 中東情勢

ワールド

UAEのフジャイラで石油積載再開、無人機攻撃で一時

ビジネス

現代自、米加で新型SUV一部販売停止 パワーシート

ビジネス

米航空各社CEO、政府閉鎖の早期解消要求 空港混乱
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 9
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中