最新記事

オリンピック

米軍がソチ五輪のテロ対策に軍艦派遣

アメリカ人選手の安全をテロから守る使命を帯びた軍艦2隻が黒海に到着

2014年2月6日(木)15時36分
デービッド・トリフノフ

「海のNSA」 通信機能に優れた米海軍のマウント・ホイットニー Vasily Fedosenko-Reuters

 ソチ冬季オリンピックの開幕を2日後に控えた2月5日、米海軍の軍艦2隻がソチに近い黒海に配備された。

 配備されたのは、揚陸指揮艦マウント・ホイットニーとフリゲート艦テイラー。国防総省によれば、テロなどの緊急時にソチに滞在するアメリカ人の救出活動などを支援するという。

 マウント・ホイットニーは通信やデータ解析の面で極めて高度な機能を有している。いわば軍艦版の米国家安全保障局(NSA)といった存在で、同軍艦のサイトにも「コミュニケーション機能では他の追随を許さない」と書かれている。一方のテイラーはミサイル搭載の水上戦闘艦だ。

 米国家テロ対策センターのマシュー・オルセン長官は2月4日、アメリカとロシアが協力して、ソチ五輪を狙った「多くの具体的な脅威」を監視していると米下院で証言した。なかでも最大の脅威は、ソチのある北カフカス地域でのイスラム国家建設を目指し、テロ予告を繰り返している武装組織「カフカス首長国」だという。

 さらに、五輪のスポンサー企業を狙ったハッキングなどのサイバーテロの可能性も指摘されている。

 選手たちへのケアも必要だ。米当局はアメリカ人選手に対し、ソチ滞在中はセキュリティ対策が万全なエリア内に留まることよう要請。万が一エリア外に出る際には、米選手団のユニフォームを着用しないよう注意を促した。「アメリカ人の五輪選手だということを五輪会場の外でアピールする必要はない」と、ある国務省高官は語っている。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国スマホ販売、第1四半期はアップル19%減 20

ビジネス

英インフレ率目標の維持、労働市場の緩みが鍵=ハスケ

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 10

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中