最新記事

スマートフォン

iPhoneに政府発行の身分証明書の保存可能に アップル、個人情報保護も追加

2021年6月8日(火)09時04分
アップルのティム・クックCEO

米アップルは7日から開始した世界開発者会議(WWDC)で、州政府が発行した身分証明書(ID)をiPhoneにデジタル保存する機能を提供するほか、ストレージサービス「iCloud(アイクラウド)」や電子メールアプリにプライバシー保護機能を追加すると発表した。写真はカリフォルニア州で撮影(2021年 ロイター/Brooks Kraft)

米アップルは7日から開始した世界開発者会議(WWDC)で、州政府が発行した身分証明書(ID)をiPhoneにデジタル保存する機能を提供するほか、ストレージサービス「iCloud(アイクラウド)」や電子メールアプリにプライバシー保護機能を追加すると発表した。

IDカードをスキャンすれば、クレジットカードなどと同様にデジタルウォレットに保存される。米運輸保安局(TSA)と連携し、デジタル保存されたIDの空港での利用も進めているという。

また、有料ストレージサービスの名称を「iCloud+」に変更し、プライバシー機能を追加。アップルおよび広告主はユーザーの身元や閲覧履歴などを入手できなくなるほか、ユーザーがオンラインフォームに入力する際に電子メールアドレスを非表示にすることも可能になる。新機能が追加されたが、iCloudの料金は変更しない。

プライバシー関連では、電子メールアプリを更新し、電子メールが開かれたことを検知するトラッカーを使用した送信者をブロックすると発表。第三者のサービスアプリによるデータの送信先を追跡する新たな機能も追加するほか、音声アシスタント「Siri(シリ)」使用時にアップルのサーバーに接続する必要がなくなるとした。

通話アプリ「フェイスタイム」についても複数の参加者との通話スケジュールを決める機能や、基本ソフト(OS)「アンドロイド」および「ウィンドウズ」が搭載された端末との互換性も追加した。

ユーザーがパソコン「Mac(マック)」やノートパソコンからタブレット端末「iPad」などを操作できるようにするほか、ソフト宇ウエアを改良し、デバイス間の連携を容易にすると発表した。

アプリ開発業者向けには、開発業者がアプリ内でライブイベントを開催する機能を導入。イベントはアプリ配信システム「アップストア」でリアルタイムで紹介されるという。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米関税で見通し引き下げ、基調物価の2%到達も後ずれ

ワールド

パレスチナ支持の学生、米地裁判事が保釈命令 「赤狩

ワールド

イラン、欧州3カ国と2日にローマで会談へ 米との核

ワールド

豪総選挙、与党が政権維持の公算 トランプ政策に懸念
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中