最新記事
健康

エコな生理用品に「永遠の有害物質」が検出される...「環境と体に優しい」に研究者が警鐘【最新研究】

Reusable Feminine Hygiene Products 'A Risk to the Wearer', Study Warns

2025年7月28日(月)13時20分
ルーシー・ノタラントニオ
生理用品

Nastyaofly-shutterstock

<デリケートゾーンに使用する製品には細心の注意が必要。化学的成分PFAS(ピーファス)とは何か?>

これまでエコで健康志向と称賛されてきた、繰り返し使用可能な生理用品だが、化学物質による新たな脅威をはらむ可能性がある。

インディアナ大学とノートルダム大学の研究チームによると、いわゆる「永遠の化学物質」と呼ばれるPFAS(ピーファス[per- and polyfluoroalkyl substances]:ペルフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物の総称)が多くの再利用可能な生理用品から検出されたという。


調査対象となったのは北米・南米・欧州の59製品で、生理用ショーツ、再利用可能な布ナプキン、月経カップ、そして尿もれ対策用の再利用可能な下着などが含まれる。

昨年、ハーバード大学公衆衛生大学院が「Apple Women's Health Study(アップル女性健康調査)」のデータを用いて、2019年11月から2024年1月までの1万1455人のアメリカ人女性の月経周期を追跡調査した。

ヒ素や有害金属への懸念が高まるなか、最も一般的な生理用品として回答者の48%がタンポンを使用。ナプキンは47%、おりものシートは43%。再利用可能な生理用品の中では、生理用ショーツが20%、月経カップが18%の回答者が使用していた。

最新研究によると、PFAS(ピーファス)は製品の約30%から検出されている。なかには「意図的に添加された」と思われる濃度の製品もあり、再利用型の生理用品に有害な化学物質が公式に確認された初めての研究結果となった。

本研究を率いた化学者でインディアナ大学のマルタ・ヴェニエール教授は次のように述べる。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金与正氏、日米韓の軍事訓練けん制 対抗措置

ワールド

ネパール、暫定首相にカルキ元最高裁長官 来年3月総

ワールド

ルイジアナ州に州兵1000人派遣か、国防総省が計画

ワールド

中国軍、南シナ海巡りフィリピンけん制 日米比が合同
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 9
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中