ウォーキングで健康増進、「1日1万歩」は不要だった...最新研究で分かった「理想の歩数」は?
Turns out fewer than 10,000 steps are enough for better health
1日7000歩より1万歩が有効である指標も
研究者たちは、特にあまり活動的ではない人にとっては一日1万歩よりも7000歩の方が達成しやすい現実的な目標ではないかと示唆している。
ただし「死亡率全体、心血管疾患の発症、がんによる死亡率、認知症や抑うつ症状に関しては、一日7000歩の場合よりも一日1万歩の方が大幅にリスクが低いことが示された」という。「それでも、それ以外の健康指標については、7000歩とそれ以上の歩数の間で統計上の差はなかった」としている。
そのため研究者たちは、一日7000歩は「一部の人にとっては、より現実的で達成可能な推奨値」だが「より活動的な人にとっては一日1万歩という目標も依然として有効な目標値」だと結論づけている。
この系統的レビューは57件の先行研究を精査したもので、研究チームは「一日あたりの歩数と幅広い健康指標との関連について、これまでで最も包括的な証拠を示した」と述べている。
ただし研究者たちは、今回の分析の一部結果については慎重に受け止めるべきだとも警告している。がんや認知症など多くの症状については健康効果を裏づける証拠が「ごく少数の研究」であり、これらの結果については確実性がより低いということだ。
さらにレビューを行った多くの研究が年齢や体力の低下などの要因を考慮に入れておらず、これらの要因が結果に影響を及ぼす可能性がある。
それでも研究者たちは、毎日の歩数が身体活動を評価するための分かりやすい指標だと強調している。彼らは今回の結果が公衆衛生に関する今後の提言の参考になり、より多くの人が歩数を記録して心身の健康維持につなげるきっかけになり得ると考えている。
Ding, D., Nguyen, B., Nau, T., Luo, M., del Pozo Cruz, B., Dempsey, P. C., Munn, Z., Jefferis, B. J., Sherrington, C., Calleja, E. A., Chong, K. H., Davis, R., Francois, M. E., Tiedemann, A., Biddle, S. J. H., Okely, A., Bauman, A., Ekelund, U., Clare, P., & Owen, K. (2025). Daily steps and health outcomes in adults: A systematic review and dose-response meta-analysis. The Lancet Public Health. https://doi.org/10.1016/S2468-2667(25)00164-1