最新記事
心理学

老後の知恵...「断れない人」「すぐ謝る人」が「雑に扱われない人」になるために絶対すべきこと

2024年6月19日(水)10時55分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ドイツの関係心理専門家ロルフ・セリンは、『ここまで、そしてそれ以上』(未邦訳)で自身の経験と自身が治療した数十万人の診療記録を基に、きっぱりと線引きした際には奇跡ともいえる変化が起きたことを明らかにした。

きっぱりとした線引きをとおして関係は壊れるどころかむしろ強固になり、感情を抑えこまずに本心を明らかにしたことで初めて本人の思考と趣向が尊重される関係へと発展したというのだ。

だから線引きを恐れる必要はない。線を引くことでさらに発展する関係こそが、あなたが求める関係だろうから。

ただし、線を引く際は柔軟ながらも毅然とした態度で臨まなければならない。

とはいえ相手から雑に扱われたり、無理な要求をされたりすると、人はどうしても傷ついて感情が高ぶるものだ。そういう時はすぐさま反応するのではなく、一旦すべてを停止させて高ぶった感情を鎮めることが先決だ。そのあとで相手に自分の意見をきちんと伝えるのである。

この時、曖昧な表現をしては相手が理解できない可能性がある。また、どんなに不快な扱いをされたとしても相手を非難せず、自分には何ができないのかということについてのみ話すように心がけるといい。それでこそ相手に自分の意思を尊重させられるというものだ。

どんなに老いて体が弱っても、人生の舵はできるかぎり自分で切ったほうがいい。自ら選択し決定することが増えるほど、人生の幸福感や達成感、自尊感情は高まるからだ。

『「大人」を解放する30歳からの心理学』
「大人」を解放する30歳からの心理学
 キム・ヘナム 著
 渡辺麻土香 訳
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日韓首脳、17日にカナダで会談へ=韓国大統領府

ビジネス

中国自動車メーカー、ゼロエミッション車市場でリード

ビジネス

国債補完供給、減額措置の要件緩和の対象銘柄を拡充=

ビジネス

JERA、新たなLNG契約締結必要 電力需要対応で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 7
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 8
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 9
    「そっと触れただけなのに...」客席乗務員から「辱め…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中