最新記事
BOOKS

目標達成までの道のりを阻むネガティブ思考をコントロールする【最強の視覚化】

2025年1月31日(金)11時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

潜在意識は3秒にいちど現れてしまう

人間は3秒ごとに新しい思考を持つ。望もうが、望むまいが、3秒に1回、無意識が思考をアップデートする。潜在意識は意識的に考えるより3万倍も強い力を持つのだ。無意識は、生まれてから見、聞き、学んだ、ありとあらゆることを記憶している。かすめた程度の経験まで事細かに覚えている。潜在意識はすべての瞬間を記録し、記憶する。一種のアルゴリズムと捉えればいい。

読書にたとえて考えてみよう。本を読んで何も頭に残っていないようでも、決定的な瞬間に非常に重要な役割を果たす時がある。意識的に思い浮かべたことではないが、必要に応じて蘇る潜在意識の力だ。

無意識に振り回されないように無意識を制す

潜在意識のアルゴリズムは、自分が望みもしない場所へ自分を導き、人生を翻弄する。そのため、我々は真剣に成したいものがあっても、すぐに挫折してしまうのだ。だが、潜在意識のアルゴリズムは、決して悪いものではない。振り回されずに利用すれば、成功に向かう立派なツールになり得る。

3年間、たった一つの目標に集中することは可能なことだろうか? 結論から言えば、可能だ。粘り強く集中すれば、人間は5年以内に大抵の目標は達成できる。今携わっていることをあきらめたくなったのなら、それは初心を忘れたということだ。視覚化のポイントは、初心を長く持続させることにある。

あきらめる心は、ナマケモノのようにゆっくりと持つべきだ。なぜなら、ここぞという時が訪れたら、また熱い気持ちが頭をもたげるからだ。潜在意識の力を利用し、この上なく楽しみながら夢に向かおう。

ネガティブな刷り込みは行動を縛る

視覚化が大切な理由は、潜在意識の中に閉じ込められた正しくない情報を浄化させる点にある。我々は意識的に生きていると信じているが、実際は潜在意識のアルゴリズムに支配されている。だから潜在意識に植え付けられている正しくない心象の数々を消す作業が求められるのだ。

友人に、会社の同僚に、そして夜になってもまた誰かに、「どこか痛いの?」と訊かれ続けたら、ある時から本当に痛み始める。思ったよりずっと速い速度で嘘の情報が潜在意識の中に埋め込まれるのだ。人は3回失敗すると、決して成功できないと考えるようになる。潜在意識のアルゴリズムが持続的に否定的な情報を送り込んでくるためだ。

人間の可能性について論ずる時、杭につながれた幼いゾウの比喩をよく聞く。幼いゾウが杭につながれた姿を想像してほしい。幼いゾウは、自由になりたい本能から、何度でも逃れようとしたはずだ。だが、自分より強い杭のせいで「もう自由になれない」「もうつながれたまま生きるしかない」とネガティブな思考を潜在意識の中に、繰り返し保存してしまった。幼いゾウが成長し、杭を引き抜いても余りあるほどの力をつけても、それを決して引き抜けはしないと思い込んでいる。さらに大きな問題は、自分の子供たちにも間違いなくそう教えるという事実だ。

もしかしたら、あなたも「自分には決してできない」と杭につながれているのではないか。十分にそれを引き抜き青い平原に出ていけるにもかかわらず、自分を拘束しているのではないか。

視覚化の効果でネガティブ思考を封じる

視覚化とは、身動きできないようにあなたをつないでいる杭を、ひたすら自力で引き抜く作業だ。あなたの人生に新たなエネルギーと気力を集め、最終的に自由を手にし、何よりあなたの未来の青写真を思い切り想像しながら、宇宙のエネルギーを受け入れることだ。

私がまた生きようと上を向き、世に足を踏み出した日は、私をつないでいた杭を引き抜いた日だった。「私には絶対にできない」という考えが「私にも絶対にできる」に変わる瞬間、私の人生は180度変わった。

本書ではここから、より実質的な6種類の視覚化の効用と具体的な実践法について話していきたい。この方法を通して、私は自分の内面の世界を健全にし、大きな富を掴み取った。あなたにも間違いなく大きな力となってくれると確信している。

◇ ◇ ◇

『お金が人を選んでいる』POP

『お金が人を選んでいる』POP


ケリー・チェ(Kelly Choi)

ヨーロッパ12ヵ国で寿司販売を中心としたアジア系食品フランチャイズチェーンを1200店舗展開する、グローバル企業「ケリーデリ(KellyDeli)」の創業者/会長(2021年当時)。全羅北道で生まれ、ソウルの縫製工場で働きながら夜間定時制高等学校を卒業。30代でパリでファッション事業を立ち上げるが、10億ウォン(約1 億円)の借金を抱える。これを機に、〈富者の思考〉と習慣を体得するため、1000人の成功者に学ぶ。2010年にケリー・デリを立ち上げ、2020年、「サンデー・タイムズ」が選ぶイギリスの資産家345位。

現在は、経営と〈富者の思考〉を伝えるために「ウェルシンキング・アカデミー」を設立。YouTubeやInstagram、講演活動を通じて啓発活動を続けている。著書に『パリでお弁当を売る女』(2021年、未邦訳)、『100日朝習慣の奇跡』(2023年、未邦訳)がある。。2022年には本書が大手ブックサイトYes24の「今年の本」に選出され、100刷突破記念刊行で表紙の装いを新たにした。

『お金が人を選んでいる』書影
『富者の思考 お金が人を選んでいる』
 ケリー・チェ[著]
 小笠原藤子[訳]
 CCCメディアハウス[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


ニューズウィーク日本版 トランプvsイラン
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月8日号(7月1日発売)は「トランプvsイラン」特集。「平和主義者」の大統領がなぜ? イラン核施設への攻撃で中東と世界はこう変わる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請6週間ぶり低水準、継続受給件数は

ワールド

ロシア海軍副司令官が死亡、クルスク州でウクライナの

ワールド

トランプ減税・歳出法案、下院最終採決へ前進 手続き

ワールド

米EU関税問題、早期解決を メルツ独首相が訴え
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 8
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中