中国自動車大手「アフリカを玄関口に」...関税逆風の中で新興市場に賭ける
チェリー傘下の独立系ブランド「オモダ&ジャクー」も南アでの現地組み立てを見据えた事業可能性調査を行っているという。
南アで最大手中国メーカーのGWMのコンラッド・グリュエンワルド最高執行責任者(COO)はロイターに、これまでは中国から部品を輸入する方が割安だったため、部品生産の現地化に妥当性はなかったが、現在は地元メーカーへの外注またはセミノックダウン(予め組み立てた主要部分を完成させる工程)工場の設立が選択肢に入ってきたと説明した。
グリュエンワルド氏は「われわれは規模の経済を確保した。向こう1年以内に事業可能性調査を再始動させる必要がある」と述べた。
大きな潜在力
EVとハイブリッド車への生産転換途上にある中国メーカーは、米国と欧州の市場で足かせが大きくなり続けている。
多くの先進国ではEVの新車販売は想定ほど伸びていない。また中国製EVは欧州連合(EU)から高額の、米国からも100%の関税をそれぞれ課され、競争面で最大の武器だった価格優位性に陰りが出てきた。とはいえインドやブラジルといった主要新興国市場への進出も一筋縄ではいかないことが証明されている。
そうした中でアフリカ市場はまだ相対的に小規模だが、膨大な成長の余地がある、というのが業界関係者の見方だ。