最新記事

ニュースデータ

「リケジョ」を育てる気がない日本の教育現場

日本の女子は中等教育の段階で理数系教科のやる気をくじかれる

2015年12月15日(火)17時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

見えない壁 理数系教科の学力の男女差は社会的なジェンダーの問題だ Wavebreak-iStock.

 男子学生と女子学生には、教科の好き嫌いに違いがある。一般に男子の方が女子より理数教科を好む傾向がある。最近の調査結果によると、中学校2年生で数学が得意な男子は35.3%、女子は18.9%。理科が得意な男子は36.5%、女子は16.4%といずれも約20ポイントも違っている(国立青少年教育振興機構『青少年の体験活動等に関する実態調査』2014年3月)。

 それでは客観テストで測る理数系の学力ではどうだろうか。OECDの国際学力調査『PISA 2012』によると、日本の15歳生徒の数学的リテラシーの平均点は男子が545点、女子が527点、科学的リテラシーは男子552点、女子541点だった。両方とも男子の方が少し高い。

 上の調査に関する文科省のレポートでは、こうした男女の学力差にあまり関心を払っていない。女子の脳は男子に比べて理系向きではない、という説もあるくらいだから、身体の男女差と同じレベルで捉えているのかもしれない。

 しかし、実は理数系学力の男女差は社会によって大きく異なっている。主要国の男女の理数系リテラシーの平均点をみると<表1>のようになる。

maita151215-chart01.jpg

 日本と同様に「男子>女子」のケースが多いが、アメリカとフランスでは科学的リテラシーの平均点は女子のほうが高い。北欧のスウェーデンでは、両方とも男子より女子の平均点が高くなっている。女性の社会進出が進んでいるお国柄を反映しているようで興味深い。男子の方が理数系の学力が高いという日本の常識は、普遍的な事実ではない。

ニュース速報

ビジネス

英金融機関、EU離脱で「パスポート」失うリスク=仏

ワールド

欧州委員会、英出身で金融担当のヒル委員が辞任 

ビジネス

EU外相らが英国に早期離脱求める、独首相は性急な動

ビジネス

英格付け、国民投票受け見通しを「ネガティブ」に=ム

MAGAZINE

特集:英国はどこへ行く?

2016-6・28号(6/21発売)

EU離脱の是非を問うイギリス国民投票はいかに──。統合の理念が揺らぐ欧州と英国を待つ未来

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム
  • ニュース速報
  1. 1

    もし第3次世界大戦が起こったら

  2. 2

    英キャメロン首相「EU離脱派6つのウソ」

  3. 3

    ISISが3500人のNY「市民殺害リスト」をアプリで公開

    無差別の市民を選び出し、身近な標的を殺せと支持…

  4. 4

    ハーバードが絶賛する「日本」を私たちはまだ知らない

  5. 5

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  6. 6

    Windows10の自動更新プログラム、アフリカのNGOを危険にさらす

  7. 7

    「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗

  8. 8

    搾取されるK‐POPのアイドルたち

  9. 9

    安倍首相、消費増税再延期へ、サミットで経済状況リーマン級の危機と各国に説明

    財政出動への支持取り付けと消費増税延期への地な…

  10. 10

    コンビニATM14億円不正引き出し、管理甘い日本が狙われる

    アフリカ諸国、東欧、中東などでは不正分析ソフト…

  1. 1

    レイプ写真を綿々とシェアするデジタル・ネイティブ世代の闇

    ここ最近、読んでいるだけで、腹の底から怒りと…

  2. 2

    英国のEU離脱問題、ハッピーエンドは幻か

    欧州連合(EU)にさらに権限を委譲すべきだと答え…

  3. 3

    伊勢志摩サミットの「配偶者プログラム」はとにかく最悪

    <日本でサミットなどの国際会議が開催されるたび…

  4. 4

    嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月…

  5. 5

    移民問題が「タブー」でなくなったわけ

    ここ数年、僕たちイギリスの国民は、一部の政治…

  6. 6

    間違い電話でわかった借金大国の悲しい現実

    ニューヨークに住み始めた僕は、まず携帯電話を手…

  7. 7

    中古ショップで見える「貧困」の真実

    時々僕は、自分が周りの人々とは違った経済的「…

  8. 8

    美学はどこへ行った?(1):思想・哲学・理論

    <現代アートの国際展は、思想や哲学にインスパイアさ…

  9. 9

    パックンが斬る、トランプ現象の行方【後編、パックン亡命のシナリオ】

    <【前編】はこちら> トランプ人気は否めない。…

  10. 10

    【市場】いよいよ終わりの始まりが始まった

    いよいよ終わりの始まりが始まった。それは日銀のマ…

  1. 1

    メルセデス・ベンツの長距離EV、10月に発表=ダイムラー

    ドイツの自動車大手ダイムラーは、メルセデス・…

  2. 2

    英国のEU離脱派と残留派、なお拮抗=最新の世論調査

    11日に公表された世論調査によると、英国の欧…

  3. 3

    米フロリダ州の乱射で50人死亡、容疑者は警備最大手に勤務

    米フロリダ州オーランドの、同性愛者が集まるナ…

  4. 4

    米国株式市場は続落、原油安と世界経済懸念が重し

    米国株式市場は2日続落で取引を終えた。原油が…

  5. 5

    ECBのマイナス金利、銀行に恩恵=コンスタンシオ副総裁

    欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁…

  6. 6

    英国民投票、「EU離脱」選択で何が起こるか

    欧州連合(EU)は6月23日の英国民投票を控…

  7. 7

    インタビュー:世界的な低金利、エンダウメント型投資に勝機=UBSウェルス

    UBSウェルス・マネジメントのグローバルCI…

  8. 8

    NY市場サマリー(10日)

    <為替> 原油安や銀行株主導で世界的に株安が…

  9. 9

    焦点:タカタ再建、「ラザード」効果で進展か 車各社との調整に期待

    欠陥エアバッグ部品の大量リコール(回収・無償…

  10. 10

    クリントン氏優位保つ、トランプ氏と支持率11ポイント差=調査

    ロイター/イプソスが実施した最新の世論調査に…

定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
リクルート
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

0歳からの教育 育児編

絶賛発売中!

コラム

パックン(パトリック・ハーラン)

モハメド・アリ、その「第三の顔」を語ろう

STORIES ARCHIVE

  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月
  • 2016年2月
  • 2016年1月