最新記事

ビジネス

ミレニアルズ世代が熱狂する「カスタマイズ」とは何か

2015年7月1日(水)19時00分
カスタマイズプラスマガジン

――起業のきっかけはどのようなものでしたか?

 2006年の冬、USC(南カリフォルニア大学)の経営学部を卒業したばかりの私は、自分のこれからを考えながら、まずは母と一緒にスノーボードのインストラクターを始めることにしました(母は1998年からインストラクターを務めているベテラン)。スノーボードのインストラクターを務めるにあたり、雪山と自宅を運転しながら、車内でよく「栄養」の話をするのが私たちの日課でした。

 というのも、私たち親子はいわゆる「健康オタク」で、2人になるとその話題でもちきり。そんな健康オタクの私たちがいつも繰り返し話をしてしまう「ある食べ物」がありました。そうです、それが「プロテインバー(シリアルバー)」でした。

 スノーボードのインストラクターをしている私たちは、生徒へ教えている時も、自分たちで滑っている時も、中断をしてまで昼食をとることをめんどうくさく感じていました。なので、他のアスリートの方もそうするように、持ち運びのできるプロテインバーを昼食代わりにするのを好んでいました。しかし、そこで問題があったのです。当時、私たちが購入していたプロテインバーはどれも、ブドウ糖果糖液糖、保存料など、いわゆる体に悪い添加物が多く含まれていました。

「なぜ、誰も完璧なプロテインバーを作らないんだろう?」という疑問が浮かび、そういえば「完璧なプロテインバーとは何だろう?」と話し始めるうちに、1つ問題が浮き彫りになりました。それは、一言に私たちが思い浮かぶ「完璧なプロテインバー」といっても、母と私が求めるプロテインバーは全く違っていたことです。

 成分でいえば、私はタンパク質と脂質が多いものを、母はタンパク質は少なめで糖質の少ないものを求めていました。もちろん、味の好みも異なりました。私はピーナッツバター味が嫌いでしたが、母はその味が好きでした。

 このようなことがわかってから、私たちは「完璧なプロテインバー」という考えからは脱却し、私たちにとっての「完璧なプロテインバー」を手作りすることからスタートしました。私向けには、生のナツメヤシと生のアーモンド、母向けにはピーナッツバターとココアパウダー、ホエイプロテインもたっぷりいれました。

 すると、どうでしょう。大量生産された市販のプロテインバーを口にすることをやめて数週間のうちに、1つの現象が起きました。体調がよくなったんです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は大幅続落、一時5万円割れ 過熱感で調整深

ビジネス

日鉄、純損益を600億円の赤字に下方修正 米市場不

ビジネス

ユニクロ、10月国内既存店売上高は前年比25.1%

ワールド

中国、対米関税を一部停止へ 米国産大豆は依然割高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中