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いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代
AIの有償化はYouTubeなど過去のプラットフォームとくらべるとかなり早い Nikolas Kokovlis/REUTERS
<アメリカでは実際に、初級レベルの事務職やプログラマー職で人間とAIが「競合関係」に>
先週のコラムで、アメリカではAIが普及したことによって、急速に若者の雇用が危うくなっているという話をしたところ、「今はAIの利用は無償だから普及しているが、有償になったら雇用への影響は減るのでは?」という意見を多くいただきました。実はそうではないという話をしたいのですが、その前に、確かに、OpenAI社が提供するChatGPTを個人で利用する場合や、シリコンバレー各社がOSなどに組み込んでいるAIを個人が使う場合、無償でサービスが提供されているのは事実です。
過去の歴史を振り返ってみると、検索エンジンも、動画アップロード用のサイトも、発明当初かなりの期間は無償でした。例えばYouTubeの場合は、ローンチが2005年で、2006年にはGoogleが買収、2007年に部分的に広告が導入されましたが、マネタイズの本格化は2010年以降で、有償サブスクの導入は2013年になってからです。
多くのSNSの歴史も同様で、無償で利用者を集め、一定規模になってから広告収入を中心としたビジネスモデルが後追いで成立するようになっています。ところが、アメリカの場合は企業向けのAIについては、既にどんどん有償化がされています。ChatGPTの公開が2022年11月でしたから、動きとしてはかなり早いと言えます。
例えばですが、ひと月前の今年9月に行われたテニスのUSオープンでは、公式スポンサーの一つとしてIBMが参加していました。会場内の広告に加えて、ディズニーが運営するABCとESPNのチャンネルを使った中継番組を通じてCMキャンペーンを展開、そのテーマは「AI」一色でした。各企業の事務仕事の現場へ向けてAIを利用するように促すCMが「これでもか」と流されていたのです。
職場へのAI導入を猛プッシュ
IBMのCMの作りはいたってシンプルで、AIの利用について懐疑的な現場の叩き上げに対して、管理職風の人物がソフトに、しかし毅然とAIの導入による効率化をアドバイスするという内容でした。登場人物の属性や業種のイメージを変えて複数のバージョンが作られていましたが、訴求の内容は同一で、視聴者にはかなり印象に残ったと思われます。
現在のIBMは、ハードウェアの製造はしておらず、それこそ企業向けのコンサルや、システム導入のソリューションそのものを売る会社です。ですから、CMに出てくる「アドバイスする管理職」の役割は実は自分たちのサービスであり、これを企業から請け負うのが彼らのビジネスというわけです。そのIBMは、OpenAI社との提携をしています。
実際の価格については、これはIBMではなく、あくまで一般論ですが、AIそのものを顧客企業向けに構築する場合は、小規模でかつ標準タイプに軽くカスタマイズをするもので1万ドル(150万円)程度。中規模企業向けに、判断や分析の機能などを含めた全面開発をする場合で、数百万ドル(3億円以上)という感じです。
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