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日本で盛り上がる「反知性主義」論争への違和感
3点目は、森本氏は政治や社会との関係については、あまり書いていないということです。例えば、アメリカの「反知性主義」が暴走したと言って良い「マッカーシズム(赤狩り)」や、9・11後の「宗教保守派の支持による戦争遂行」などへの詳しい言及を期待すると肩透かしを喰らいます。また、黒人教会の問題や、カトリックの伸張、無宗教の拡大といった現在進行形の問題も扱われていません。
4点目は、これが一番重要なのですが、森本氏は「アメリカのプロテスタンティズムにおける反知性主義は、俗化したエリート主義を是正するというプラスの効果を持つ」という基本的に肯定的な立場で書いています。ですが、その主旨については、エピローグの部分で控えめに主張されているだけですし、本の副題にある「熱病」という表現の効果もあって「悪しき反知性主義の本家はアメリカのキリスト教」という、まるで「『貧困大国』批判」のような「反米本」として誤読される可能性が否定できません。
森本氏の本は面白く書かれていますが、以上のような注釈が必要だと思います。
このように今年の流行語になった「反知性主義」という言葉については、アメリカにおける「キリスト教によるアンチ・エリート主義」を批判する姿勢というのが「絶対的なオリジナル」ということも言えないのです。何よりもアメリカでは広く社会的に使われている表現ではないからです。
では、今年日本で使われた「反知性主義」という言葉については、どう考えたら良いのでしょうか? 上記のように「アメリカ由来というオリジナルを無視して使うのは間違い」という批判は、必ずしも絶対ではないと思うのですが、それとは別の意味で、この「反知性主義」という言葉が使われる状況については、警戒をした方が良いと思います。
今年の日本に限って言えば、「反知性主義」という言葉が使われる局面というのは「イデオロギー上の論敵の中にある感情論に対して敵意を持つ」ことであり、それ以上でも以下でもないように思います。その敵意自体も相当程度に感情論であることが多く、結局は感情論の衝突・炎上ということになっているケースが目立っています。
もっと言えば、「お前は反知性主義だ」とか「お前こそ反知性主義だ」と言って罵倒し合うような場には余り知性はない、そう考えて距離を置いて見るべきなのでしょう。そう考えると、「今年の流行語」として年末に取り上げるのは、ふさわしくないように思います。
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