コラム

保守派も感動させたオバマの追悼演説、ペイリンと明暗を分 ける

2011年01月13日(木)13時32分

 アリゾナ乱射事件の続報です。現地時間の12日(水)の晩、アリゾナ州ツーソンのアリゾナ大学では、オバマ大統領を迎えた追悼集会が行われました。オバマは「責任をなすりあうのではなく、団結して品位あるデモクラシーを実現しよう」「(殺された9歳の少女が)夢見たようなアメリカにしよう」と、選挙戦当時のオバマに戻ったような熱のこもったスピーチを展開、会場だけでなく保守派のFOXニュースの解説委員たちをも感動させるという結果で、政治的にも成功しています。

 一方のペイリンは、この集会に先立って水曜朝にフェイスブックにビデオメッセージを寄せて沈黙を破ったのですが、髪型を変え、相当練習した形跡があるものの、自分たちへの政治的非難に対して反論してしまったスタイルが共和党系の人々からも猛反発を受けています。「アリゾナの事件はペイリンのカトリーナだ」という言い方もされ始めていますし、超党派での追悼集会が大成功だっただけに、余計に「利己的なペイリン」の孤立が浮き彫りになっています。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

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