強まる縁故資本主義...石破政権が「減税に一貫して否定的」な理由
「税金という財源」を特定層に配分する石破政権
減税を行わない理由として「財政健全化のために財源が必要」などと自民党政治家は言及しているが、過去3年続いた税収拡大で財政収支は大きく改善しており、妥当な理由には思われない。
経済官僚の多くは日本の財政状況は健全になっていると内心認識しているのだろうが、「税金という財源」を特定層に配分することが石破政権の最大の政治目標になっている。だから、日本において減税を含めた財政政策が実現しないのである。
石破政権が行っている政策は、事実上の将来の増税をセットにした年金給付金の上乗せ、米価高騰を理由とした農業支援、地方創生と銘打った補助金支給、などである。広範囲に経済活動を支える減税に距離を置く石破政権の政策は、権益者への配慮に傾斜したクローニーキャピタリズム(縁故資本主義)の色彩が強まっているようにみえる。
各国の経済政策運営は、過去1年半の日米独の株式市場のパフォーマンス格差に表れている。2023年末を100とした2025年6月6日時点の株価指数は、DAX(145)、S&P500(126)、TOPIX(117)、である。
日本株は、日銀によるサプライズ利上げがあった2024年7月がピークとなり、それ以降ほぼ横ばいで推移している。岸田前政権そして石破政権による経済政策への不信感が株式市場を抑制し続けているのだ。
少数与党となっているため今後の政治情勢は相当流動的で、さまざまなシナリオが考えられる。参議院選挙を経て、仮に石破内閣が、増税に極めて前向きな立憲民主党との大連立政権となれば、「日本の縁故資本主義化」がさらに強まる悪夢のシナリオだろう。
そうなれば、日本株市場にはますます期待し難くなる。
(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

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