コラム

<3分解説>フィンランドってどんな国? 「世界一幸せ」な国民は、サウナに入って梅酒で乾杯

2025年06月12日(木)10時10分
フィンランドの基礎知識

フィンランドのサウナ文化は2020年にユネスコ無形文化遺産に登録された Natalia Sokko/Shutterstock

<サウナ文化や豊かな自然、高水準の福祉などで知られるフィンランド。23年にはロシアとの緊張が高まるなか、NATO加盟を果たしたことでも国際的な注目を浴びた>

大阪・関西万博が4月に開幕、さまざまなイベントが繰り広げられ、連日話題に事欠かない。中でも最大の醍醐味は、万国博覧会という名前の通り、世界各国・地域の伝統や文化に触れられることだ。

このたび、異文化理解や世界の諸問題の解決に向けた活動を行う東京外国語大学のボランティアサークル「くらふと」のメンバーが中心となって執筆に当たった書籍『外国人のあたりまえ図鑑』が刊行される。同書から一部引用し、各国を、手軽にさくっと理解できるように紹介していく。

newsweekjp_20250610050045.png フィンランド共和国
 Republic of Finland

高水準の福祉と教育を誇り、「世界一幸せな国」との呼び声も高い北欧の神秘。人口550万人ほどながら300万超あるとされる同国発祥のサウナが幸せの秘訣かもしれません。2020年にはサウナの伝統がユネスコの無形文化遺産の代表リスト入り。

一緒に入った人同士、心も体も距離が近づくサウナは、人と人、そして自然とをつなぎ合わせる力があります。野外のサウナに入った後は湖に飛び込み、自然と一体となって心を落ち着かせます。

そんなゆとりのある国ですが、もともと1917年にロシア帝国から独立し、第二次世界大戦ではソ連と争うなど、脅威にさらされ続けてもいます。さらにウクライナ侵攻に伴う危機感から、 2023年にはNATOに加盟。ロシアとの緊張が高まる中、日本をはじめ友好国との関係は一層強まっています。

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(『外国人のあたりまえ図鑑』より)

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(『外国人のあたりまえ図鑑』より)

基礎情報

首都:ヘルシンキ (Helsinki)

建国:1917年

人口:約556万人(2023年時点)

在留邦人数:2,257人(2023年10月時点)

在日フィンランド人数:861人(2024年6月時点)

面積:33.8万㎡(日本よりやや小さい)

言語:フィンランド語、スウェーデン語(全人口の約5%)

民族:マレー系が主体、ほかに中国系、スペイン系など

宗教:キリスト教(福音ルーテル派、正教会)

世界遺産:スオメンリンナの要塞群、 ラウマ旧市街、ペタヤヴェシの古い教会など

プロフィール

くらふと

主に小中高生向けに異文化理解や世界の諸問題に関するワークショップなどの活動を行う東京外国語大学のボランティアサークル。(協力:南龍太)
Instagram:@tufs_kraft
X:@TUFS_KRAFT

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