コラム

ウクライナ停戦交渉の代償...ゼレンスキー「とっておき」5000億ドル分のレアアースは平和をもたらすか

2025年02月13日(木)19時05分

ウクライナの重要資源埋蔵量は12兆ドル相当?

地球温暖化懐疑主義者であるにもかかわらず米国第一主義者のトランプ氏は「資源戦争」で中国に対して優位に立ち、米国の競争力を高めようとしている可能性がある。その文脈から見ればグリーンランド併合をほのめかしたこともうなずける。

エネルギー転換鉱物の市場は大幅な成長を遂げ、5年間で倍増、2022年に3200億ドルに達した。持続可能エネルギーへの移行が進めば市場は今後5年以内に再び倍増すると予測されている。EV、エネルギー貯蔵システム、クリーンエネルギー需要は拡大する一方だ。

ウクライナの重要資源埋蔵量は12兆ドル相当と推定され、石炭などの天然資源すべてを含めると26兆ドルに跳ね上がるとの見方もある。しかし「埋蔵資源の多くは未開発であり、資源の質や量は推測の域を出ない」(キーウ・インディペンデント)という。

米国がウクライナでレアアースの採掘を始めるには平和と安全が大前提になる。米国のウクライナ支援は22年1月~24年10月間に883億ドル。さらに307億ドルの支援が予定されている。5000億ドル分のレアアースが手に入れば文句の言いようがない。

トランプ氏の実利主義がウクライナに平和をもたらすか、しばらく事の成り行きを注意深く見守る必要がある。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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