次期ＵＮＨＣＲトップにイケア親会社ＣＥＯ、スウェーデン政府が指名

　スウェーデン政府は１４日、国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）の次期難民高等弁務官に、家具世界最大手イケアの親会社インカ・グループのジェスパー・ブローディン最高経営責任者（ＣＥＯ、５６）を指名した。写真は２０２４年１月、スイス・ダボスで撮影（２０２５年　ロイター／Denis Balibouse）

Anna Ringstrom　Greta Rosen Fondahn

［ストックホルム　１４日　ロイター］ - スウェーデン政府は１４日、国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）の次期難民高等弁務官に、家具世界最大手イケアの親会社インカ・グループのジェスパー・ブローディン最高経営責任者（ＣＥＯ、５６）を指名した。

グランディ現高等弁務官は、任期満了に伴い年末に退任する。

ブローディン氏は３０年前にイケアに入社したスウェーデン人。現職を７年間務め、１１月に退任する。

スウェーデン政府は声明で「国連が現在直面している大きな課題を考えると、ビジネス経験を持つ人物が就任することで、国連のシステムは強化されるだろう」と述べた。

ＵＮＨＣＲなどの援助機関は、米国をはじめ防衛費を優先する西側諸国や主要な資金提供国の拠出削減で打撃を受け、多くの国連人道支援機関が資金不足を補うため民間への働きかけを強めている。

ブローディン氏はイケアとして、ヨルダンのシリア難民キャンプやロシアの侵攻を受けたウクライナ難民の支援でＵＮＨＣＲと活動した経験があるという。

同氏は「これまでＩＫＥＡ側から学んだように、企業コミュニティーがどのようにしてより強力な連携先とパートナーになり得るかを探りたい」とロイターに述べた。

１９３カ国が加盟する国連は、年内に総会を開いて新たな難民高等弁務官を選出する。