パキスタンがアフガン国境で警戒強化、週末の衝突で数十人死亡

パキスタンとアフガニスタンの国境付近で11日夜に激しい武力衝突が発生し、数十人が死亡したことを受け、パキスタン軍は13日、アフガニスタンとの国境地帯で警戒を強めた。写真は両国の国境付近。10月12日、パキスタンのチャマンで撮影(2025年 ロイター/Saeed Ali Achakzai)
[ペシャワル(パキスタン)/カブール 13日 ロイター] - パキスタンとアフガニスタンの国境付近で11日夜に激しい武力衝突が発生し、数十人が死亡したことを受け、パキスタン軍は13日、アフガニスタンとの国境地帯で警戒を強めた。
パキスタンの業界関係者によると、全長2600キロに及ぶ国境で検問所が閉鎖されたため、両国間の国境貿易が停止し、双方の国境付近で多数の貨物車両が立ち往生しているという。パキスタンはアフガニスタンにとって主要な物資・食料供給元となっている。
この衝突でパキスタン軍は兵士23人、アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権は戦闘員9人が死亡したと発表。双方が相手側でより多くの死傷者を出したと主張しているが、ロイターはその真偽を確認できていない。2021年にタリバンが政権を掌握して以来、両国間では最悪の衝突となった。
衝突の発端は、パキスタン政府が同国への攻撃を強化している過激派組織についてアフガニスタンを拠点に活動していると主張し、タリバンに対処を要求したことだが、タリバン側はこの主張を否定している。
一方、トランプ米大統領は12日、この衝突に言及し、「私は戦争を解決し、平和を築くのが得意だ」と述べ、解決に関与する可能性を示した。
パキスタン、アフガニスタンと国境を接する中国も懸念を表明し、外務省の林剣報道官は13日、「中国は両国の関係改善と発展に向け、引き続き建設的な役割を果たしていく」と述べた。