ニュース速報
ビジネス

国際金融当局、AIの監視強化へ

2025年10月14日(火)12時55分

 10月10日、 国際的な金融規制当局は、銀行をはじめとする金融機関の間で人工知能(AI)の利用が広がっていることを踏まえ、AIの監視を強化する方針を示した。写真は1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Marc Jones

[ロンドン 10日 ロイター] - 国際的な金融規制当局は、銀行をはじめとする金融機関の間で人工知能(AI)の利用が広がっていることを踏まえ、AIの監視を強化する方針を示した。

20カ国・地域(G20)の金融監督当局で構成する金融安定理事会(FSB)は10日公表した報告書で、あまりにも多くの金融機関が同じAIモデルと特定のハードウエアを利用すれば、群集行動につながりかねないとし「過度な依存は、代替手段が少ない場合に脆弱性を生み出す恐れがある」と指摘した。

また、世界の中央銀行で構成する国際決済銀行(BIS)は別の調査報告書で、中銀、金融規制当局、監督当局がAIへの対応力を一段と高める必要があると主張。

「技術進歩の影響を十分理解した上で監視する機関として、また、技術そのものを利用する機関として、能力を向上させる必要がある」とした。

FSBの報告書は、AIが市場のストレスを増幅させる可能性があるものの、現時点では「AIが引き起こす市場の相関関係が市場の結果に影響を与えている実証的な証拠はほとんどない」と指摘。

また、金融機関には、AI関連のサイバー攻撃や、AIを悪用した詐欺のリスクも高まっているとの認識を示した。

すでに一部の地域は、AIなどデジタル技術のリスクに対応する法整備に着手している。欧州連合(EU)では「デジタル・オペレーショナル・レジリエンス法(DORA)」が1月に施行された。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、海運造船業界への米調査影響を考察 供給網の安

ビジネス

高島屋、今期営業益予想を上方修正 百貨店コスト削減

ビジネス

午後3時のドルは151円後半に下落、米中対立懸念の

ワールド

トランプ氏、26日にマレーシア訪問 タイ・カンボジ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃をめぐる大論争に発展
  • 4
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 9
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 10
    ウィリアムとキャサリン、結婚前の「最高すぎる関係…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中