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ハマス代表団がエジプト到着、トランプ氏「第1段階は週内に完了」

2025年10月06日(月)08時15分

10月5日、ルビオ米国務長官はトランプ大統領が提示したパレスチナ自治区ガザの和平計画についてイスラエルとイスラム組織ハマスの双方が部分的に同意を示したものの、まだ戦争は終わっていないとの認識を示した。 写真は4日、イスラエルの攻撃を受けたガザ市の現場で撮影(2025年 ロイター/Ebrahim Hajjaj)

Jasper Ward Nidal al-Mughrabi Alexander Cornwell

[ワシントン/カイロ/エルサレム 5日 ロイター] - イスラム組織ハマスのハリル・ハイヤ氏率いる代表団は5日遅く、イスラエルとの間接交渉に先立ち、エジプトに到着した。一方、イスラエルのデルメル戦略問題担当相率いる代表団は6日にエジプトに向かう。

ルビオ米国務長官は5日、トランプ大統領が提示したパレスチナ自治区ガザの和平計画についてイスラエルとハマスの双方が部分的に同意を示したものの、まだ戦争は終わっていないとの認識を示した。

ルビオ氏はNBCテレビの「ミート・ザ・プレス」で、ハマスがガザで拘束している人質に言及。人質解放に向けた実務的な協議の進み具合によって、ハマスが和平に真剣かどうかが間もなく分かるだろうと述べた。

トランプ大統領は5日、交渉は急速に進むと指摘。交流サイト(SNS)で「第1段階は今週中に完了するはずだと聞いている。全員に速く動けと言っている」と投稿した。

第1段階は、パレスチナ人囚人の釈放と引き換えに人質を解放するというものだ。

ハマスはトランプ氏の20項目の計画のうち、戦争終結やイスラエル軍の撤退、人質とパレスチナ人捕虜交換など重要部分を受け入れるとしている。ただ一部の問題は、仲介国エジプト東部シャルムエルシェイクで6日に開くイスラエルとの間接交渉での議論に委ねているほか、武装解除に関しては回答を保留した。

こうした中で関係者の1人は、間接交渉はガザでの停戦が実行される前に包括的な合意を目指すことに注力すると説明した。

ルビオ氏はABCテレビの「ディス・ウィーク」で、人質解放のための合意とりまとめ期限は決まっていないと断りつつも「(協議は)数週間、あるいは何日もかかることがあってはならない。われわれは極めて迅速に(解放を)目にしたい」とくぎを刺した。  

トランプ大統領の計画に対するイスラエルの楽観的な見方の表れとして、通貨シェケルは対ドルで3年ぶりの高値をつけ、テルアビブの株価は史上最高値を更新した。  

一方ガザでは5日も依然としてイスラエル軍の攻撃が続いた。パレスチナ保健当局によると、空爆や戦車の砲撃により少なくとも19人が死亡したという。

ガザ中部で家を失ったあるパレスチナ人男性は、トランプ氏の和平計画が伝えられた時点では希望を持っていたが、ガザは何も変わっていないと強調。「私たちはどんな行動を取れば良いか分からない。どうすればいいのか。このまま街頭にとどまるべきか、それとも立ち去るべきなのか」と問いかけた。

ロイター
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