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米政権、麻薬カルテルに対する軍事作戦継続へ 高官らが発言

2025年09月04日(木)08時08分

 9月3日、米国の国家安全保障当局者らは麻薬カルテルに対する軍事作戦を継続する方針を示し、ベネズエラからの船舶に対する致命的な攻撃に関する基本的な疑問が解消していないにもかかわらず、中南米での持続的な軍事作戦の準備を整えた。写真はヘグセス米国防長官。8月、ワシントンのホワイトハウスで撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

Idrees Ali Phil Stewart Jeff Mason Daphne Psaledakis

[ワシントン/メキシコ市 3日 ロイター] - 米国の国家安全保障当局者らは3日、麻薬カルテルに対する軍事作戦を継続する方針を示し、ベネズエラからの船舶に対する致命的な攻撃に関する基本的な疑問が解消していないにもかかわらず、中南米での持続的な軍事作戦の準備を整えた。

米軍は2日、カリブ海で違法薬物を積んでいたとされるベネズエラ発の船舶を攻撃し、11人を殺害した。トランプ政権がカリブ海地域に軍艦を増派して以来、初めての作戦となった。

この作戦にどのような法的根拠が用いられたのかや、積まれていたとされる麻薬の種類など詳細はほとんど分かっていないが、ヘグセス国防長官は作戦が継続すると表明。FOXニュースの番組で、「われわれには空中、水中、艦船に資産がある。これはわれわれにとって極めて重大な任務であり、この攻撃だけでは終わらない」と述べた。

また「この海域で麻薬を密売する者で、指定麻薬テロリストと分かっている者は誰でも、同じ運命をたどることになる」と語った。

今回の作戦がどのように実行されたかについては機密事項だとして詳細を明かさなかった。

ルビオ国務長官も、同様の攻撃は再び起こるだろうという認識を示した。

ルビオ氏はメキシコ市で演説し、「今起きているかもしれない。私には分からないが、重要なのは米国大統領が麻薬テロ組織に対して戦争を仕掛けるということだ」と述べた。

トランプ大統領は3日、大統領執務室で記者団に対し、船から「大量の麻薬」が発見されたと語った。

また「彼らの会話を録音したテープがある。大量の麻薬がわが国に持ち込まれ、多くの人々を殺害している。誰もがそれを十分に理解している。実際、船のあちこちに麻薬の袋が積まれているのが見えるだろう」と述べた。

ノートルダム大学の国際法と武力行使の専門家、メアリー・エレン・オコネル氏は、2日の作戦は「国際法の基本原則に違反している」と述べた。

ロイター
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