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台湾、原発再稼働を住民投票で否決 賛成多数も規定に届かず

2025年08月25日(月)07時53分

 8月23日、5月に全ての原子力発電所が停止した台湾で23日に投開票された原発再稼働の是非を問う住民投票は、賛成が規定数に届かなかったため再稼働案が否決された。写真は第三原子力発電所。屏東で20日撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)

Ben Blanchard

[台北 23日 ロイター] - 5月に全ての原子力発電所が停止した台湾で23日に投開票された原発再稼働の是非を問う住民投票は、賛成が規定数に届かなかったため再稼働案が否決された。

是非が問われたのは、5月に閉鎖された南部屏東県の原発。投票では、安全上の問題がないと「認める」場合には賛成することになっていた。

中央選挙管理委員会によると、賛成は約430万票と反対の150万票超を大きく上回ったものの、選挙法に基づいて成立に必要となる登録有権者数の4分の1(約500万票)に達しなかった。

頼清徳総統は23日夜、記者団に対して「多様なエネルギーの選択肢への社会的な期待があることを理解している」とした上で、「将来もし技術がより安全になり、核廃棄物が削減され、社会の受け入れが拡大すれば、先端原子力エネルギーを排除しない」と安全基準が改善された場合には将来再稼働する可能性があるとの見解を示した。

頼政権はこれまでに地震多発地域の台湾での原発の安全性と、核廃棄物の処理に関する重大な懸念を示し、再生可能エネルギーと液化天然ガス(LNG)への移行を掲げてきた。

これに対し、台湾は信頼できる電力供給が必要であり、エネルギーの輸入へ過度に依存すべきではないとして第2野党の台湾民衆党(TPP)が住民投票の実施を今年提案。第1野党の国民党(KMT)も賛同し、住民投票を実施することが立法院(国会)で承認されていた。

ロイター
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