プーチン氏が「取引望まない可能性も」とトランプ氏、ウ和平への道筋なお不透明

トランプ米大統領は19日、ロシアのプーチン大統領が「よい対応」を行い、ウクライナ戦争の終結に向けて前進することを期待しているとしつつ、プーチン氏がディール(取引)を望んでいない可能性もあると認めた。米アラスカ州で15日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン/ロンドン/キーウ 19日 ロイター] - トランプ米大統領は19日、ロシアのプーチン大統領がウクライナにおける紛争の終結に向けて「ディール(取引)を望まない可能性もある」とし、今後2週間でプーチン氏の行動を評価すると述べた。
トランプ大統領はFOXテレビとのインタビューで、プーチン大統領が紛争終結に向けて前進することを望むとしつつも、合意に至らなければ、プーチン氏は「厳しい状況」に直面すると警告した。
18日にホワイトハウスで行ったウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談で明言した米国によるウクライナへの「安全の保証」関与については、具体的な詳細には踏み込まなかったものの、米軍の地上部隊派遣の可能性については改めて否定した。
トランプ氏が18日の会談で、米国がウクライナ戦争終結のためのいかなる合意においてもウクライナの安全保証を「支援する」と表明したこと受け、安心感も広がったものの、和平への道筋は依然不確実だ。
トランプ氏は、プーチン氏とゼレンスキー氏の会談の手配を始め、両首脳の会談に続き、自身も含めた3者会談を行う考えを示しているものの、ロシア側はこれまでに、ロシア・ウクライナ首脳会談について明確なコミットメントを示していない。
ラブロフ外相は19日、ロシアはウクライナ和平を巡りいかなる形式での協議も拒否しないとしつつも、首脳会談は「最大限の綿密さをもって準備されなければならない」と述べた。
ウクライナでの戦闘に収束の兆しも見られない。ウクライナのエネルギー省は19日、中部ポルタワ州のエネルギー施設が夜間にロシア軍の巡航ミサイルと無人機(ドローン)による攻撃を受け、大規模な火災が発生したと発表。ウクライナ当局者はロシアのプーチン大統領が平和を望んでいないことの表れだと非難した。
ウクライナを支援する「有志国連合」はこの日協議を開き、ロシアへの圧力を強めるための追加制裁について協議した。また、ウクライナへの安全の保証確保に向けた計画を進めるため、今後数日中に担当チームを米国に派遣し、会合を開くことで合意した。
ゼレンスキー大統領はXへの投稿で「有志国連合の全メンバー、特に米国と、安全保証の構造についてあらゆるレベルで具体的な作業に積極的に取り組んでいる」と述べた。
また、北大西洋条約機構(NATO)の軍事指導部は20日に会合を開き、ウクライナ問題を協議するため会合を開く見通し。