米ゴールデンドーム構想、宇宙と地上に4層の防衛網=国防総省

米国防総省は先週、南部アラバマ州で契約防衛企業300社向けに次世代ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」の説明会を開催し、複雑な全体像についてスライド動画を通じて明らかにした。写真は、構想について発表するトランプ米大統領。5月20日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
Mike Stone
[ワシントン 12日 ロイター] - 米国防総省は先週、南部アラバマ州で契約防衛企業300社向けに次世代ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」の説明会を開催し、複雑な全体像についてスライド動画を通じて明らかにした。
この動画によると、ゴールデンドームは宇宙空間から地上まで4層の防衛ラインを設定。宇宙空間には迎撃手段のほかに標的の早期警戒および追跡のためのセンサーが配備され、さらに高度に応じて迎撃ミサイル、レーダー、将来的にはレーザーを組み合わせた3層の防衛構造が敷かれる。
地上配備型防衛システム(GMD)のための次世代迎撃ミサイル(NGI)用としては、中西部に新たな大規模ミサイル基地が開設される見込み。米軍は現在、カリフォルニア州南部とアラスカ州にGMDのミサイル基地を設置しており、中西部に3つ目の基地を置いて新たな脅威に備える。
トランプ大統領はゴールデンドームを2028年までに完成するという野心的な目標を掲げている。
総予算は1750億ドルと見積もられているが、必要な発射装置や迎撃ミサイル、地上設備などの具体的な数はまだ決定されていない。
7月に成立した税制・歳出法ではゴールデンドームの予算として250億ドルが充当され、トランプ政権が提示している来年度予算案にはさらに453億ドルが盛り込まれた。