台湾総統、米国立ち寄り含む中南米訪問延期の公算 貿易交渉配慮=関係筋

台湾の賴清徳総統が8月に予定していた米国への立ち寄りの可能性も含む中南米訪問を延期する方針であることが、複数の関係筋の話で分かった。台北で5月撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
[ワシントン/台北 28日 ロイター] - 台湾の賴清徳総統が8月に予定していた米国への立ち寄りの可能性も含む中南米訪問を延期する方針であることが、複数の関係筋の話で分かった。
賴総統はグアテマラ、ベリーズ、パラグアイなどを訪問し、その途上に米国のニューヨークとダラスに立ち寄ることが検討されていた。こうした訪問は正式に決定されてはおらず、関係各国政府と調整が行われている段階だった。
関係筋によると、賴総統は少なくとも下半期まで訪問を延期する方針。理由として台湾を襲った自然災害への対応のほか、米国が現在、それぞれ台湾と中国と行っている貿易交渉などを挙げている。
関係筋の1人は「訪問が取り消されることはない」とし、「今年後半の訪問に向けて調整が行われる」と述べ、経由地として米国のテキサス州と米本土の別の都市が検討される可能性が高いと語った。
台湾総統府の郭雅慧・報道官は 「最近の台湾南部での台風による被害の復旧作業のほか、米国との関税交渉や地域情勢の展開などを踏まえ、 賴総統が 近い将来の外国を訪問する計画は現時点ではない」と表明。外国訪問の日程が確定次第、適切な時期に公表すると述べた。
この件に関して米ホワイトハウスのほか、ワシントンの在米中国大使館からコメントは得られていない。
米国は中国と28─29日の日程で関税を巡りスウェーデンの首都ストックホルムで協議を実施している。
賴総統の訪米計画に関連し、 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)はこの日、トランプ米大統領は賴氏のニューヨークへの立ち寄りを阻止すると報じた。