米国務長官、ASEAN地域の重要性強調 関税攻勢の中

ルビオ米国務長官は10日、クアラルンプールで東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相らに対し、インド太平洋が「米外交政策の焦点」だと強調した。ASEAN外相会合に出席したルビオ長官、代表撮影(2025年 ロイター)
Daphne Psaledakis David Brunnstrom
[クアラルンプール 10日 ロイター] - ルビオ米国務長官は10日、クアラルンプールで東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相らと会談し、同地域が米国にとって重要な優先事項であることを再確認した。トランプ米大統領が主要貿易国に対する新たな関税攻勢を強める中での会談となった。
就任以来初のアジア訪問となるルビオ氏は、オーストラリア、中国、欧州連合(EU)、日本、ロシア、韓国なども参加するASEAN外相会議に出席。外相らに対し、インド太平洋が「米外交政策の焦点」だと強調した。
「今世紀と次の世紀、次の50年の物語の大部分は、この地域、世界のこの部分で書かれるというのがわれわれの見解であり、強固な見方であり、現実だ」と語った。
「米国や世界は他の地域の出来事に気を取られているのではないかと耳にすると、そんなことは不可能だと言いたくなる」と付け加えた。
トランプ大統領は今週、マレーシアを含むASEAN加盟国8カ国や、日本と韓国に高率関税を8月1日から賦課すると表明。今回のルビオ氏の訪問に影を落とした。
石破茂首相はニュース番組で、米国依存からさらに自立する努力をする必要があるとの認識を示した。
アナリストは、ルビオ氏は米国が中国よりも良いパートナーであり続けるということを強調したいのだろうとみる。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の東南アジア専門家であるグレゴリー・ポリング氏は「ルビオ氏は正しいことを言ったが、根底にある力学を考えると、安心させる能力は限られている」と指摘。
ルビオ氏が関与継続を訴えようとしているのと同時に「これらの国々は全て、ホワイトハウスから新しい関税率の書簡を受け取っている」と述べた。
バイデン前政権の高官で、現在はコンサルタント会社アジア・グループに在籍するクリストファー・ジョンストン氏は、貿易摩擦、国防支出を巡る米国の圧力、そして米国の防衛コミットメントに対する不確実性が、日米の緊張をおそらく過去一世代で見たことのないレベルまで押し上げていると述べた。しかし、日本が米国への依存度を下げることは、言うは易く行うは難しだとした。
「日米両国が8月1日までに貿易合意に達すれば、緊張は薄れるかもしれない」とした上で「しかし、石破氏の発言は、現実に広がっている感情を反映している」と述べた。