トランプ氏、ウクライナへの防衛兵器追加供与承認 対ロ制裁も検討

トランプ米大統領は8日、ウクライナへの防衛兵器の追加供与を承認した。写真は6月、オランダ・ハーグで撮影(2025年 ロイター/Ukrainian Presidential Press Service/Handout via REUTERS)
[ワシントン 8日 ロイター] - トランプ米大統領は8日、ウクライナへの防衛兵器の追加供与を承認した。同時に、ロシアの対ウクライナ戦争における死者数増加を巡ってロシアのプーチン大統領への不満をあらわにし、対ロ追加制裁を検討していることを明らかにした。
トランプ大統領は、ホワイトハウスで閣僚らと会談した際に、「私はプーチン氏に満足していない。今、それだけは言える」と言明。ロシアとウクライナの兵士が数千人単位で命を落としていると述べた。
「われわれはプーチン大統領から多くのたわ言を投げつけられている。彼はいつもとても良い人だが、結局は意味がない」とした上で、戦争を巡ってロシアに厳しい制裁を課す上院の法案を支持するかどうか検討しているとした。
こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、主に防空部隊向けの重要な軍事物資の供給を確保するため、米国との接触を拡大するよう命じたと明らかにした。
ゼレンスキー氏は恒例の夜間のビデオ演説で、「本日、国防相と最高司令官に対し、米国側とのあらゆる接触を強化するよう指示した」と表明。「現在、われわれは必要な政治的声明および決定を全て有しており、国民と陣地を守るために、それらを可能な限り迅速に実行する必要がある」と述べた。
ロシア軍はここ数週間、ウクライナの都市に対する無人機(ドローン)やミサイルによる空爆を強化している。
関係者によると、国防総省は今月、ウクライナへの武器供与を一部停止することを決定。トランプ氏はヘグゼス国防長官も出席した会合で、誰が一時停止を命じたのかと質問され、「分からない。なぜ教えてくれないのか」と答えた。