タイ財務相、米に最新の貿易交渉案提出 多くの品目でゼロ関税

7月7日、タイのピチャイ財務相(写真)は、米国との貿易交渉で最新案を提出したと明らかにした。写真は2024年5月、バンコクで撮影(2025年 ロイター/Chalinee Thirasupa)
[バンコク 7日 ロイター] - タイのピチャイ財務相は7日、米国との貿易交渉で、米国からの多くの輸入品に対する関税をゼロにする最新案を提出したと明らかにした。
米国は「相互関税」の上乗せ分の一時停止期限である9日までに関税引き下げで合意できない場合、タイからの輸入品に36%の関税を課すと警告している。
先週ワシントンでの協議を終えて帰国した同相は「米国からのフィードバック、彼らが特に関心を持っている点を聞き、(提案を)調整した」とした上で、今後さらに修正を行う可能性もあると述べた。
ピチャイ氏によると、米通商代表部(USTR)はタイの努力を評価しつつも、若干の修正を提案した。
改善後の提案には米国からの多くの輸入品の関税をゼロとする措置を盛り込んだほか、対米貿易収支を均衡させる期限を当初の提案よりも短い10年以内とした。
また、二国間貿易を促進するために米国製品の輸入を増やすコミットメントも含まれているという。
ピチャイ氏は「単に関税を引き下げるだけでなく、貿易をさらに開放することを目指している。もちろん、全ての品目でゼロ%の関税を提案しているわけではないが、相当数の品目でゼロ関税を提示している」と語った。
「私の考えでは、われわれが提案した条件は非常に好意的であり、米国を満足させるはずだ」と述べた。
貿易条件の交渉には多くの利害関係者との協議が必要なため、関税猶予期間終了後も貿易交渉は続く見通しという。
ピチャイ氏は先に、米関税の影響でタイの経済成長率が今年1%強にとどまる可能性があるとの見方も示した。