アングル:高級品業界が頼る中東富裕層、地政学リスク足かせ

6月26日、ラグジュアリー(高級品)業界にとって中東は、富裕層消費が期待できる重要地域だ。ドバイの商業施設で2019年4月撮影(2025年 ロイター/ Hamad I Mohammed)
[パリ 26日 ロイター] - ラグジュアリー(高級品)業界にとって中東は、富裕層消費が期待できる重要地域だ。中東は空の便が再開し、米国仲介のイスラエルとイランの停戦は維持されているとみられるため現時点では同業界にとって従来通り頼みになる存在で、主力市場である米国と中国での販売低迷を補ってくれると依然、期待がかかっている。
中東の高級品市場は、観光客の大幅増加と地域の旺盛な購買力に支えられ、世界的な減速傾向とは一線を画してきた。同業界は今年、世界的に販売不振が深刻化すると懸念しているものの、ブランドの中には中東販売が2ケタ成長のケースもある。
小売コンサルタントのシャルーブ・グループによると、高級品の市場規模が2024年は前年比2%減の約4000億ドルだった。一方で、中東湾岸諸国は6%増の128億ドルと成長。高級ファッションや宝飾品、化粧品需要の堅調が要因だ。
ただ、中東高級品市場の活況は急増する観光客の需要に大きく依存しているのが実態。コンサルティング会社のベインは、中東での高級品販売の約50―60%を観光客需要が占めると推定している。
ベインのシニアパートナー、フェデリカ・ロバト氏は「現時点では、この地域には依然大きな可能性があると考えており、長期成長見通しは修正していない」と話した。ただ、足かせとして地政学的リスクに目配りし「中東情勢はここ数週間で不安定さを増しており、今後の展開次第ではそうした不安定さが続きかねない」と述べた。
中東地域は旅行支出の重要拠点で、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)やアジアの富裕層が大挙してやって来る。また、高級ブランド事業ではインドの富裕層をたぐり寄せる玄関口の役割も果たしている。インドは輸入関税率が高いためで、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)などの企業はインド店舗網の拡大を控えている。
旅行者向け小売事業を展開するゲブル・ハイネマンは最近、サウジアラビアに進出した。紅海沿岸都市ジッダの空港では高級品ブランドを扱うファッション小売店を営業している。マックス・ハイネマン共同最高経営責任者(CEO)は、中東地域の旅行市場は不安定な情勢にもかかわらず、長期的には底堅いと話し、「(販売が)落ち込む時期はあるかもしれないが成長は続くだろう」と今も楽観的だ。
高級ファッションや宝飾品ブランドは相次いで中東で新店舗を構え、華やかなイベントを開催してきた。イスラエルとイランが直接攻撃の応酬を繰り返した今回の武力衝突以前の企業業績では、プラダの第1・四半期決算は中東地域売上高が前年同期比26%増、エルメスは14%増と堅調だった。
ただ、この先も高級品業界にとって買い物客を店舗に呼び込むには、中東訪問者数の維持が不可欠だ。高級旅行代理店グローバル・トラベル・モーメンツによれば、イスラエルとイランの武力衝突があったにもかかわらず、現時点では中東向けの長期的な旅行需要には影響が出ていない。
ただ、最近の情勢を受けて「中東地域への旅行を最終決定する前に、以前より慎重になる傾向は確かに見られる」と説明している。
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