台湾、中国の新たな軍事演習を警戒 総統就任1周年控え

5月15日、台湾政府高官は、頼清徳総統の就任1周年となる20日を控え、中国が「事を荒立て」ようと、新たな軍事演習を実施する可能性を排除できないと述べた。写真は頼清徳総統、台北で8日撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
[台北/高雄 16日 ロイター] - 台湾政府高官は15日、頼清徳総統の就任1周年となる20日を控え、中国が「事を荒立て」ようと、新たな軍事演習を実施する可能性を排除できないと述べた。
総統府は、総統が就任1周年をどのように記念するかまだ発表していない。
台湾で対中政策を担う大陸委員会の梁文傑副主任委員兼報道官は定例記者会見で、中国は昨年の総統就任直後に軍事演習を行ったとし、台湾に対する脅威は「常態化している」と述べた。
その上で「中国共産党が頼氏の就任記念日に合わせて再び事を荒立て、軍事演習を政治宣伝に利用する可能性を排除しない」とする一方、緊張関係の持続は望まず、「20日以降、軍事演習を行わないよう期待する」と述べた。
こうした中、頼総統が16日に南部高雄市の海軍左営基地を訪問。陸軍工兵や対潜ヘリコプター乗組員らに、工兵部隊や対潜水艦航空部隊はともに「国家の軍事力の要で、国防戦略全体に不可欠だ」と語った。
また、「国家の安全保障を守るために、共に力を合わせよう」と激励した。中国の新たな軍事演習の可能性については直接言及しなかった。