情報BOX:米英間の貿易を巡る関税合意、主な内容

5月8日、米英両政府は両国間の貿易に関し、米国が英国から輸入する自動車や鉄鋼製品などの一部品目に対する関税を引き下げ、農業市場へのアクセスを改善することで合意したと発表した。写真は同日、ホワイトハウスでスティーブンス駐英大使と握手するトランプ米大統領(2025年 ロイター/Leah Millis)
[ロンドン/ワシントン 8日 ロイター] - 米英両政府は両国間の貿易に関し、米国が英国から輸入する自動車や鉄鋼製品などの一部品目に対する関税を引き下げ、農業市場へのアクセスを改善することで合意したと、8日発表した。 合意の主な内容は以下の通り。 <10%の基本税率> ルトニック米商務長官は、10%基本税率は維持されると述べた。 <自動車関税> 英政府は、今回の合意で米国が一部の英国製自動車に課す関税が27.5%から10%へ引き下げられると発表した。 英国の自動車メーカーには、低い関税率で米国に輸出できる年間10万台の枠を割り当てる。 <鉄鋼関税> 英政府は、米国に輸出する英国製の鉄鋼製品に適用されている25%の関税がゼロになると発表した。 <航空機> ルトニック氏は、英企業が無関税で航空機用部品を米国へ輸出できるようになると説明。その見返りとして、英国の航空会社が米大手航空機メーカー、ボーイングの航空機を100億ドル購入する見込みだ。 <農業関税> 英政府は、米国との間で「牛肉に関する相互市場アクセス」を実施し、英国の農家に1万3000トンの無関税枠を供与すると発表した。 英国は、ビールの醸造に使う米国産エタノールに対する関税を撤廃する。 <映画> トランプ米大統領は映画の輸入に関税を課す計画に関し、今回の合意とは別に英国と協議すると表明した。 トランプ氏は「ジェームズ・ボンド(スパイ映画「007」シリーズの主人公)は何も心配することはない」と語った。 <さらなる協議> 米英両国は医薬品と、米国が導入を表明した「相互関税」の残る関税の税率低減に向けてより広範な合意を目指す。 米国はまた、国家安全保障を脅かすと判断された場合、米大統領に輸入を制限する権限を与える米国通商拡大法232条の一環となる関税について、英国に優遇措置を与えることで合意した。 英国のデジタルサービス税に変更はない。