インド・カシミール地方で武装勢力が観光客に発砲、26人死亡

ヒマラヤにあるジャンムー・カシミール地方の景勝地パハルガムで、武装勢力とみられる集団が観光客に発砲し、少なくとも20人が死亡した恐れがある。写真は22日、病院で手当てを受ける負傷者(2025年 ロイター/Stringer)
Fayaz Bukhari
[スリナガル(インド) 23日 ロイター] - ヒマラヤにあるジャンムー・カシミール地方の景勝地パハルガムで22日、武装勢力とみられる集団が観光客に発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。警察が23日に発表した。
同地域では近年、イスラム過激派による暴力行為が和らいだことから観光業が勢いを取り戻している。
インドでの民間人襲撃としては160人以上の死者が出た2008年のムンバイ同時多発攻撃以来最悪の事態となった。
モディ首相は2日間の日程だったサウジアラビア訪問を切り上げ、23日朝にニューデリーに戻った。
財務省によると、シタラマン財務相も、「困難で悲劇的な時期に国民に寄り添うため」米国・ペルー訪問を短縮した。
警察によると、襲撃は道路脇の牧草地で発生。インド人25人とネパール人1人が死亡した。
過激派組織「カシミール抵抗勢力」がソーシャルメディアのメッセージで犯行声明を出した。同組織は、8万5000人以上の「よそ者」がこの地域に定住し、「人口構成の変化」を引き起こしていることに不満を表明した。
観光客に対する攻撃に抗議するため、地元の十数団体は23日、地域の閉鎖を求めた。
多くの学校も抗議のため休校とした。
モディ首相はXへの投稿で「この凶悪な行為の背後にいる者たちは裁きを受けなければならない。テロと戦うというわれわれの決意は揺るぎなく、さらに強固なものになるだろう」と攻撃を強く非難した。
米政府は、トランプ大統領が今回の攻撃について報告を受けており、「できるだけ早く」モディ首相と協議する予定だと発表した。