ニュース速報
ワールド

欧州委、数日内にドイツを提訴へ ガス代金の賦課金巡り=関係筋

2024年04月18日(木)13時18分

欧州連合(EU)欧州委員会は、貯蔵ガス販売代金の賦課金を巡り、ドイツを数日内に提訴するとみられる。近隣諸国に対する賦課金が、EUの単一市場規定に違反するとみているという。事情に詳しい関係者2人が語った。写真はブリュッセルの欧州委員会本部前に掲げられたEU旗で2023年3月に撮影(2024年 ロイター/Johanna Geron)

Julia Payne Kate Abnett

[ブリュッセル/フィレンツェ(イタリア) 17日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は、貯蔵ガス販売代金の賦課金を巡り、ドイツを数日内に提訴するとみられる。近隣諸国に対する賦課金が、EUの単一市場規定に違反するとみているという。事情に詳しい関係者2人が語った。

欧州は2022年に深刻なエネルギー危機に見舞われた。ロシアは欧州へのガス供給を削減。さらに、ロシアからドイツに至るガス送管「ノルドストリーム」が海底爆発事故で稼働を停止した。欧州から同ガス送管経由の輸入は全体の15%を占めていた。

ドイツは、ガス価格が高騰する中、貯蔵庫を満たすため非ロシア産ガスを購入。費やした数十億ユーロ規模の資金回収に向け、近隣諸国への販売価格に料金を上乗せする賦課金制度を導入した。

賦課金は22年10月に導入されて以降、3倍以上に上昇。EU加盟国間の貿易取引で課税を禁じるEUの単一市場規定に違反するとの訴えが一部で出ている。

独経済・気候保護省の報道官は、この賦課金は無差別に適用されるものであり、EU加盟各国は迅速にガス貯蔵庫を満たしているドイツから恩恵を受けていると強調した。

欧州委のシムソン委員(エネルギー担当)は先月、賦課金制度はEUの連携をリスクにさらし、ロシア産ガス依存軽減に向けた取り組みを損なうと批判していた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みんなそうじゃないの?」 投稿した写真が話題に
  • 4
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 7
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    インド映画はなぜ踊るのか?...『ムトゥ 踊るマハラ…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中