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米上院共和党、新たなオバマケア改廃案公表 民主などは対抗案支持

2017年09月14日(木)10時36分

 9月13日、米与党共和党の上院議員らは、トランプ大統領の重要公約である医療保険制度改革(オバマケア)改廃への「最後のチャンス」として州政府に医療保険の権限を与えることを柱とする案を提示した。写真は演説を行うバーニー・サンダース議員。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Yuri Gripas)

[ワシントン 13日 ロイター] - 米与党共和党の上院議員らは13日、トランプ大統領の重要公約である医療保険制度改革(オバマケア)改廃への「最後のチャンス」として州政府に医療保険の権限を与えることを柱とする案を提示した。一方、上院の主要リベラル派は国民皆保険制度を提唱した。

ただ、両案とも議会で成立する可能性は低いとみられており、オバマケアを維持したうえで医療保障を拡充する措置に落ち着く可能性もある。

国民皆保険制度は無所属のバーニー・サンダース議員が提案し、民主党議員16人が共同提案者となった。サンダース議員はこの日会合を開き、メディケア(高齢者向け公的医療保険)の対象を国民全員に拡大する案を示した。

同議員は「米国民は、機能不全の医療保険制度をわれわれがどのように修正するかに注目している。現行制度は1人当たりのコストが他国の2倍である上、2800万人が保険未加入、それより多くの人の医療保障が不十分となっている」と強調した。

これとは別に、共和党の上院議員らも会合も開き、オバマケア改廃の「最後のチャンス」として、州政府に包括的補助金の形で資金を提供し、独自の医療保険制度の運営を任せる代替法案を公表した。

オバマケア改廃法案の可決に上院の過半数を必要とする現行の手続きは9月末が期限とされており、10月以降は上院で審議するほとんどの法案と同様に5分の3以上の賛成が必要となる。

共和党案の作成者の1人であるリンゼー・グラム議員は、これまでのオバマケア廃止への取り組みは失敗に終わったが、諦めるつもりはないと述べた。法案はビル・カシディ議員とともに策定した。

共和党は改廃への取り組みを続けてきたが、オバマケアの一部を廃止する法案は7月、定員100人の上院で賛成票が49にとどまり、否決されている。

この日提示された2つの代替案のほかにも、上院保健教育労働年金委員会ではオバマケアを廃止することなく修正するための超党派の取り組みが進められている。具体的には、同制度による保険料の値下げ分を埋め合わせるための保険会社への補助金を維持する内容となっている。

共和党のマコネル上院院内総務は今週、グラム氏らによる法案や超党派の取り組みについてコメントを控え、先行きは見通せていないと述べた。サンダース氏の提案については採決を行わないとみられる。

トランプ大統領はグラム氏らによる提案を称賛。上院議員らが「オバマケア危機への対応策を見いだせた」と期待していると述べた。

ロイター
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