9月の量的引き締め、判断決着つかず=英中銀総裁

イングランド銀行(英中銀)のベイリー総裁は3日、量的引き締め(QT)の今後のペースについて、政策立案者たちが今月後半の金融政策委員会で下す予定の「判断にまだ決着がついていない」と述べた。写真はベイリー総裁。ロンドンで7月撮影。(2025年 ロイター/Isabel Infantes/File Photo)
David Milliken Yoruk Bahceli
[ロンドン 3日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)のベイリー総裁は3日、量的引き締め(QT)の今後のペースについて、政策立案者たちが今月後半の金融政策委員会で下す予定の「判断にまだ決着がついていない」と述べた。英中銀は毎年9月、金融政策委の投票によって通常の政策金利の決定と同時にQTの年間ペースを決める。
英中銀は2009年から21年にかけて、経済を下支えするために8750億ポンド(1兆1800億ドル)の英国債を購入し、22年からは売却や償還を交えながら保有残高を5580億ポンドまで減らした。この1年間で保有資産を1000億ポンド削減したが、先月の投資家調査は英中銀が今後12カ月の削減ペースを720億ポンドに減速させるとの中央値予想を示した。
英中銀は量的緩和(QE)とQTから生じ納税者の負担となる純損失が総額約1150億ポンドに達すると見積もる。一部の批評家は英中銀の国債売却の方針がこうしたコストを増大させていると述べている。
ベイリー氏はQTが英国債の利回りに与える影響は小さいとするこれまでの見解を繰り返したが、長期国債の利回り上昇と売却計画の間の「相互作用」を「重大に受け止めて」検討する姿勢を示した。
一部のアナリストはこうした発言を受けて、英中銀が保有ポートフォリオの中で償還期間が最も長い国債を売却しないようにQTを修正するのではないかと予想する。