米7月製造業生産、前月から横ばい 生産活動の停滞示唆

米連邦準備理事会(FRB)が15日発表した7月の鉱工業生産は前月比0.1%低下した。2012年11月、ミシガン州の組立工場で撮影(2025年 ロイター//Rebecca Cook)
[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が15日発表した7月の鉱工業生産は前月比0.1%低下した。6月は0.4%上昇していた。7月の前年同月比は1.4%上昇。このうち、製造業の生産指数は前月から横ばいで、関税措置による価格上昇を企業が舵取りする中、生産活動が停滞していることを示唆した。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.1%低下だった。
製造業の6月分は当初の0.1%増から0.3%増に上方改定された。7月の前年同月比は1.4%上昇。
シティグループのエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「生産に必要なさまざまな原材料、特に鉄鋼やアルミニウムの輸入に対する関税措置で、今夏の生産停止はさらに長期化、あるいは広範囲に及ぶ可能性がある」とコメントした。
トランプ米大統領は鉄鋼、アルミニウムに50%、自動車や関連部品に25%の追加関税を含めた高関税措置を課している。トランプ氏は、こうした関税が米産業基盤を復活させるのに必要だと主張しているが、エコノミストらは生産コストや人件費の高さが制約要因となり、短期間で実現することは難しいと指摘している。
7月の鉱業は前月比0.4%低下。公益事業は0.2%低下。6月は1.8%上昇していた。
製造業のうち、耐久財は0.3%上昇。自動車・同部品は0.3%低下。自動車メーカーは7月に夏季休暇やメンテナンスなどで工場の操業を一時停止することが多い。自動車を除く製造業は0.1%低下した。非耐久財は0.4%低下した。
7月の鉱工業部門の設備稼働率は、6月の77.7%から77.5%に低下し、平均を2.1%ポイント下回る水準となった。製造業の稼働率は6月の76.9%から76.8%に低下。平均水準を1.4%ポイント下回っている。